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リベンジポルノ防止法:罰則と被害事例を紹介!もし被害にあったら?

リベンジポルノ防止法:罰則と被害事例を紹介!もし被害にあったら?

リベンジポルノとは、元交際相手や知人などが、相手の同意なく性的な画像や動画をインターネット上に公開・拡散する行為です。

警察庁の発表では、2025年(令和7年)のリベンジポルノに関する相談等件数は2,514件と、法施行後最多を記録しました。

交際相手に限らず、SNSだけでつながった相手から被害を受けるケースもあります。

一度拡散した画像は「デジタルタトゥー」として長期間残るおそれがあるため、被害に気づいたら、証拠を残したうえで一日でも早く専門機関に相談することが大切です。

本記事では、リベンジポルノ防止法の対象・罰則・時効・親告罪のルールから、実際の被害事例、被害にあったときの対処法と相談窓口まで、わかりやすく解説します。

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リベンジポルノとは?意味と最新の被害状況

リベンジポルノとは?意味と最新の被害状況

ここでは、リベンジポルノの意味と、警察庁の最新データから見える被害の実態を解説します。

  • リベンジポルノの意味
  • 2025年の相談件数は2,514件で過去最多
  • 加害者は交際相手だけでなくネット上の知人も多い

リベンジポルノの意味

リベンジポルノとは、撮影対象者の同意なく、性的な画像や動画をインターネットなどで不特定多数に公開する行為を指します。

「リベンジ(復讐)」という名前のとおり、別れ話をきっかけにした元交際相手からの報復や嫌がらせとして行われるケースが多い一方で、SNSで知り合った相手や、面識のない相手から被害を受けるケースもあります。

被害者は深刻な精神的苦痛を受けるだけでなく、勤務先や学校、家族に知られることで社会的信用を失うおそれもあります。

こうした行為は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称:リベンジポルノ防止法)」で禁止されている犯罪です。

2025年の相談件数は2,514件で過去最多

警察庁によると、2025年(令和7年)に全国の警察が受けたリベンジポルノ(私事性的画像)に関する相談等件数は2,514件で、前年から386件(18.1%)増え、2014年の法施行後で最多となりました。

項目2025年(令和7年)
相談等件数2,514件(前年比+18.1%)
リベンジポルノ防止法違反の検挙件数65件(前年比+8件)
脅迫・強要・児童ポルノ禁止法違反など他法令での検挙件数328件(前年比+53件)
被害者の性別女性70.6%・男性29.4%
被害者の年齢層19歳以下41.0%・20歳代40.5%

被害者は女性が約7割ですが、男性も約3割を占めています。

また、被害者の約4割は19歳以下で、20歳代と合わせると約8割を占めており、若年層からの相談が多い状況です。

参照:警察庁「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について」

加害者は交際相手だけでなくネット上の知人も多い

被害者と加害者の関係を見ると、交際相手(元交際相手を含む)が最も多いものの、インターネット上だけでつながった知人・友人も3割を超えています。

加害者との関係割合
交際相手(元交際相手を含む)44.4%
知人・友人(インターネット上のみの関係)33.4%
知人・友人(インターネット上のみ以外)11.7%
関係(行為者)不明5.3%
配偶者(元配偶者を含む)2.1%
職場関係者1.4%
その他1.8%

SNSやマッチングアプリで知り合った相手に画像を送ってしまい、「拡散されたくなければ」と脅されるケースもあります。リベンジポルノは、もはや誰にとっても他人事ではない犯罪です。

参照:警察庁「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について」

リベンジポルノ防止法とは?対象となる画像と成立する要件

リベンジポルノ防止法とは?対象となる画像と成立する要件

リベンジポルノ防止法は、リベンジポルノの拡散を防ぎ、加害者を処罰するために2014年11月に施行された法律です。

ここでは、法律の対象となる画像と、犯罪が成立する要件を解説します。

  • 法律の対象となる「私事性的画像記録」とは
  • リベンジポルノ防止法違反が成立する主な要件
  • どこから違法?ケース別の判断

法律の対象となる「私事性的画像記録」とは

リベンジポルノ防止法では、法律の対象となる一定の性的な画像の電子データなどを「私事性的画像記録」、それを記録した写真や記録媒体などを「私事性的画像記録物」と呼びます。

これは、一定の性的な姿が写った写真や動画のうち、本人が第三者に見られることを認識したうえで任意に撮影を承諾したものなどを除いたもののことです。

交際相手が撮影した画像に限らず、第三者による盗撮画像なども対象になり得ます。具体的には、次のような画像が対象です。

私事性的画像記録にあたる画像・動画
  • 性交や性交に類似する行為が写っているもの
  • 他人が性器などを触る、または本人が他人の性器などを触る様子が写っているもの
  • 衣服の全部または一部を着けず、性的な部位が強調されているもの

ただし、アダルトビデオやグラビアのように、第三者に見られることを本人が認識したうえで撮影を承諾したものは対象外です。
反対に、「2人だけで見る」という約束で撮影に同意していた画像は、公開に同意したことにはならないため対象になります。

リベンジポルノ防止法違反が成立する主な要件

法律には、「どのような行為をすると犯罪になるのか」を定めた基準(構成要件)があります。リベンジポルノ防止法の公表罪は、主に次のような要件を満たす場合に成立します。

  • 対象の画像であること:法律で定める「私事性的画像記録」、またはそれを記録した写真・DVDなどの「記録物」に該当する
  • 撮影対象者を特定できる方法であること:画像に写った顔だけでなく、名前の記載や投稿に添えた情報などから撮影対象者を特定できる場合も含む
  • 不特定または多数の人に提供・公表すること:SNS・掲示板・メールなどインターネットを通じた提供のほか、写真やDVDなどの記録物を不特定または多数の人に提供したり、公然と陳列したりする行為も対象

また、自分では公開していなくても、「この画像を広めて」と第三者に画像を渡す行為も「公表目的提供罪」として、公表罪とは別に処罰の対象です。

この場合、渡した相手が1人でも犯罪が成立する可能性があります。

どこから違法?ケース別の判断

「どこまでやったら違法になるのか」を、よくあるケースごとに整理しました。

ケースリベンジポルノ防止法上の判断
XやInstagramなどのSNSに投稿公表罪にあたる可能性が高い
掲示板・動画サイト・アダルトサイトにアップロード公表罪にあたる可能性が高い
大人数のグループチャットに送信公表罪にあたる可能性が高い
「拡散して」と友人1人に送信公表目的提供罪にあたる可能性がある
拡散を頼まずに1人だけに送信リベンジポルノ防止法には原則あたらないが、
他の罪に問われる可能性あり
スマホの画面を1人に直接見せただけ不特定・多数への提供や公然陳列にあたらないため原則あたらない
(大勢に見せた場合は公表罪にあたる可能性あり。ほかの罪や不法行為になる可能性もある)
投稿した後に削除した投稿によって犯罪が成立している場合、
後から削除しても刑事責任がなくなるわけではない

警察は、SNSの投稿履歴やチャットの送信記録を調べられます。
「あとで消せば大丈夫」ということはありません。

リベンジポルノ防止法の罰則

リベンジポルノ防止法の罰則

リベンジポルノ防止法に違反した場合の罰則は、次のとおりです。

同法の公表罪では、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。

罪名主な行為法定刑
公表罪(第3条1項)撮影対象者を特定できる方法で、ネットを通じて私事性的画像記録を不特定・多数に提供した3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
公表罪(第3条2項)写真やDVDなどの記録物を不特定・多数に提供した、または公然と陳列した3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
公表目的提供罪(第3条3項)公表させる目的で、第三者に画像や記録物を提供した1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

参照:e-Gov法令検索「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」

2025年6月1日に改正刑法が施行され、それまでの「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
2025年6月1日より前の犯罪については、原則として改正前の刑罰規定や経過措置に基づいて判断されます。

なお、日本国民が海外で同様の行為をした場合も処罰の対象です(国外犯の処罰)。
また、脅迫や名誉毀損などほかの罪が同時に成立すれば、より重く処罰される可能性があります。

リベンジポルノ防止法は親告罪|告訴の期限と注意点

リベンジポルノ防止法は親告罪|告訴の期限と注意点

リベンジポルノ防止法の罪は「親告罪」です。

加害者の起訴には、被害者本人や法定代理人など、告訴権を持つ人による告訴が必要です。

  • 親告罪とは
  • 告訴の期限は「犯人を知った日から6か月」
  • 告訴を取り消すと再び告訴できない

親告罪とは

親告罪とは、告訴権を持つ人からの告訴がなければ、検察官が加害者を起訴できない犯罪のことです。

リベンジポルノ防止法第3条4項には「告訴がなければ公訴を提起することができない」と明記されています。

告訴とは、警察や検察に犯罪の事実を申告し、加害者の処罰を求める意思を示すことです。

被害届は「被害にあった事実」を届け出るものなので、告訴とは異なります。

被害者の意思を尊重する仕組みである一方、加害者が示談を持ちかけて告訴を取り下げさせようとするケースもあるため注意が必要です。

告訴の期限は「犯人を知った日から6か月」

親告罪の告訴は、原則として犯人を知った日から6か月以内に行わなければなりません(刑事訴訟法第235条)。

「どうしたらいいかわからない」と迷っているうちに期限を過ぎると、加害者を処罰できなくなるおそれがあります。

被害に気づいたら、早めに警察や弁護士に相談しましょう。

告訴を取り消すと再び告訴できない

告訴は、起訴されるまでの間であれば取り消せます。

しかし、一度取り消すと、同じ事件について再び告訴することはできません(刑事訴訟法第237条)。

加害者から示談を持ちかけられた場合は、その場で応じず、弁護士に内容を確認してもらってから判断することをおすすめします。

リベンジポルノ防止法の時効

リベンジポルノ防止法の時効

リベンジポルノ防止法の罪には、刑事上の「公訴時効」があります。

あわせて、慰謝料などを請求する民事上の時効も押さえておきましょう。

  • 刑事の公訴時効は3年
  • 時効のカウントが始まるタイミング
  • 慰謝料請求の時効は原則3年

刑事の公訴時効は3年

リベンジポルノ防止法違反の公訴時効は、犯罪行為が終わったときから3年です。

3年が経過すると、加害者を起訴して刑事責任を問うことができなくなります。

ただし、公訴時効が過ぎても、サイト管理者への削除依頼や民事上の請求ができなくなるわけではありません。

時効のカウントが始まるタイミング

公訴時効は、原則として「犯罪行為が終わった時」から進行します(刑事訴訟法第253条)。

ただし、インターネット上の画像公開については、投稿した時点で犯罪行為が終わったと考えるのか、公開状態が続いていることをどう評価するのかなど、犯罪行為の終了時点が問題になる場合があります。

また、別の投稿や再拡散が新たな犯罪にあたる場合は、それぞれについて時効を検討する必要があります。

時効が成立しているかどうかは個別の事情によって判断が分かれるため、「もう時効かもしれない」と自己判断せず、警察や弁護士に相談しましょう。

慰謝料請求の時効は原則3年

リベンジポルノは、プライバシーや名誉を侵害する不法行為でもあるため、加害者に慰謝料などの損害賠償を請求できます。

請求できる期間は、損害と加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年です(民法第724条)。

ただし、生命・身体への侵害に該当する場合は、損害と加害者を知った時から5年となる特例があります(民法第724条の2)。
リベンジポルノの被害によって心身の健康被害が生じたケースなどでは、この規定の適用が問題になる可能性があります。

損害賠償を請求するには加害者を特定する必要があります。

相手が匿名アカウントの場合は、発信者情報開示請求の手続きが必要になるため、証拠を確保したうえで早めに弁護士へ相談しましょう。

リベンジポルノ防止法以外に問われる可能性がある罪

リベンジポルノ防止法以外に問われる可能性がある罪

リベンジポルノの加害行為は、リベンジポルノ防止法だけでなく、ほかの法律や条例にも違反する可能性があります。主な罪と法定刑は次のとおりです。

罪名・法律主な行為法定刑
性的姿態撮影等処罰法(撮影罪など)同意なく性的な姿を撮影した、その画像を提供した3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(不特定多数への提供は5年以下・500万円以下)
児童ポルノ禁止法18歳未満の性的な画像を所持・提供・公開した5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科あり)など
名誉毀損罪画像とともに事実を示し、社会的評価を下げた3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
侮辱罪事実を示さずに公然と侮辱した1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留・科料
わいせつ物頒布等罪わいせつな画像を不特定多数に配布・公開した2年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金もしくは科料(併科あり)
脅迫罪「画像をばらまく」と脅した2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
強要罪画像の公開をちらつかせて復縁や面会などを強要した3年以下の拘禁刑
恐喝罪画像の公開をちらつかせて金銭などを脅し取った(要求のみで受け取っていなければ恐喝未遂罪)10年以下の拘禁刑(未遂も処罰)
不正アクセス禁止法他人のSNSやクラウドに無断でログインして画像を入手した3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
迷惑防止条例・ストーカー規制法画像を貼り出す、ストーカー行為の一環で画像を送る都道府県・行為の内容により異なる

ここでは、リベンジポルノと特に関係の深い罪を詳しく解説します。

  • 性的姿態撮影等処罰法(撮影罪)
  • 児童ポルノ禁止法違反
  • 名誉毀損罪・侮辱罪
  • 脅迫罪・強要罪・恐喝罪
  • 不正アクセス禁止法違反・迷惑防止条例違反

性的姿態撮影等処罰法(撮影罪)

2023年7月13日に施行された「性的姿態撮影等処罰法」により、同意のない性的な姿の撮影そのものが「撮影罪」として処罰されるようになりました。

盗撮はもちろん、相手が拒めない状況や、だまして撮影した場合も対象です。

撮影した画像を他人に提供した場合は「提供罪」、不特定多数に公開した場合はより重い罪に問われます。

リベンジポルノ防止法が主に「公開・拡散」を処罰するのに対し、撮影罪は「撮影の段階」から処罰できる点が大きな違いです。
撮影罪は親告罪ではないため、告訴がなくても起訴される可能性があります。

参照:e-Gov法令検索「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」

児童ポルノ禁止法違反

被害者が18歳未満の場合は、児童ポルノ禁止法違反に問われる可能性があります。

18歳未満の児童の性的な画像が児童ポルノに該当する場合、自己の性的好奇心を満たす目的で所持していると処罰の対象になる可能性があります。

行為法定刑
自己の性的好奇心を満たす目的で所持1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
特定の相手に提供3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
不特定多数に提供・公然と陳列5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科あり)

「未成年同士のやりとり」や、本人が自撮りして送った画像であっても、児童ポルノに該当する可能性があります。

名誉毀損罪・侮辱罪

名誉毀損罪は、事実を示して相手の社会的評価を公然と下げた場合に成立します。

たとえば、画像とともに「〇〇は浮気をしている」と投稿するようなケースです。内容が真実であっても成立する可能性があります。

侮辱罪は、具体的な事実を示さずに、公然と相手を侮辱した場合に成立します。2022年の法改正で厳罰化され、拘禁刑も科されるようになりました。

「事実を示したかどうか」が名誉毀損罪と侮辱罪の違いです。

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脅迫罪・強要罪・恐喝罪

「裸の写真を親に送るぞ」「ばらまかれたくなければ会え」など、画像の公開をちらつかせて脅す行為は、脅迫罪にあたる可能性があります。

さらに、脅して復縁や面会などを無理やりさせれば強要罪、画像の公開をちらつかせて金銭を要求した場合は恐喝罪や恐喝未遂罪に問われる可能性があります。

画像がまだ公開されていなくても、脅された段階で警察に相談できます。

不正アクセス禁止法違反・迷惑防止条例違反

元交際相手のSNSアカウントやクラウドに無断でログインし、保存されていた画像を入手する行為は、不正アクセス禁止法違反にあたります。

パスワードを知っていたとしても、本人の許可なくログインすれば違法になる可能性があります。

また、被害者の画像を印刷して街中に貼り出す、ストーカー行為の一環として画像を知人に送るといった行為は、各都道府県の迷惑防止条例やストーカー規制法で処罰される可能性があります。

罰則の内容は都道府県や行為によって異なります。

リベンジポルノの被害事例

リベンジポルノの被害事例

ここでは、報道された実際のリベンジポルノの被害事例を紹介します。

元交際相手からの報復だけでなく、男性が被害者になったケースや、面識のない相手から被害を受けたケースもあることがわかります。

※以下の事例は報道内容をもとに要約したものです。当社は、紹介する事例にいかなる関与もしておらず、内容について責任を負いかねます。内容に関するご質問にはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

事例時期加害者との関係適用された主な罪
元交際相手の画像をSNSに公開2026年9月元交際相手リベンジポルノ防止法違反(逮捕)
男性の性的画像と住所をSNSに投稿2025年5月元交際相手とその知人リベンジポルノ防止法違反・名誉毀損(逮捕)
動画の拡散を示唆して復縁を要求2022年(判決)交際相手強要未遂・リベンジポルノ防止法違反(有罪判決)
トイレの盗撮動画をネット販売2018年面識なしリベンジポルノ防止法違反(再逮捕)

元交際相手の性的画像をSNSに公開した事例

2026年9月、元交際相手の50代女性の顔や性的な部位が写った画像をSNSに公開し、不特定多数が閲覧できる状態にしたとして、茨城県の50代の男性がリベンジポルノ防止法違反の疑いで逮捕されました。

被害を受けた女性が警察に相談したことが、逮捕のきっかけです。

同じ2026年には、群馬県でも元交際相手の性的な画像をSNSの画像投稿サービスに投稿したとして、20代の男性が同法違反の疑いで逮捕されています。この事例でも、被害者本人が投稿に気づいてすぐに警察に通報していました。

顔が写った画像は撮影対象者を特定できるため、公表罪の要件を満たしやすいことがわかる事例です。

参照:茨城新聞クロスアイ
参照:上毛新聞

男性の性的画像と住所をSNSに投稿された事例

2025年5月、元交際相手の20代男性の性的な画像と住所の一部をSNSに投稿したとして、兵庫県警が30代の女性と、その知人の50代男性を名誉毀損とリベンジポルノ防止法違反の疑いで逮捕しました。

報道によると、知人の男性は投稿を認める一方、女性は容疑を否認しています。被害者の男性が、住所の一部と画像が投稿されていると警察に相談していました。

警察庁の統計でも被害者の約3割は男性です。リベンジポルノは女性だけの問題ではないことを示す事例です。また、画像に加えて住所までさらされると、身の安全が脅かされるおそれもあります。

参照:神戸新聞NEXT

動画の拡散をちらつかせて復縁を迫った事例

2022年、別れ話を切り出された男性が、交際相手に「全部さらすからな」などとLINEを送り、性行為の動画の拡散を示唆して復縁を迫った事件の裁判が大阪地裁で開かれました。

男性は強要未遂とリベンジポルノ防止法違反に問われ、懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を受けています。

画像をちらつかせて相手を思いどおりにしようとする行為は、公開の有無にかかわらず強要罪などに問われ得ることを示す事例です。

参照:弁護士ドットコムニュース(livedoor NEWS)

見知らぬ男性による盗撮動画の販売事例

2018年、飲食店などの男女共用トイレにカメラを仕掛け、約300人の女性を盗撮していたIT企業の社員の男性が、リベンジポルノ防止法違反の疑いで再逮捕されました。

男性は編集した動画を1本1,300〜3,300円でネット販売し、約2,700万円を売り上げていたとみられています。

被害者の女性が動画を発見して通報したことがきっかけで、事件が明らかになりました。

リベンジポルノは元交際相手からの報復と思われがちですが、面識のない相手による盗撮画像の公開でも、リベンジポルノ防止法違反の疑いで逮捕された事例です。

現在は、こうした盗撮行為そのものも撮影罪で処罰されます。

参照:東スポWEB「トイレ無差別盗撮で再逮捕の男 リベンジポルノ防止法適用の理由」(2018年10月26日)

近年は、SNSで知り合った相手に性的な画像を送らせ、「拡散されたくなければ金を払え」と脅す「セクストーション(性的脅迫)」の被害も急増しています。性暴力被害者を支援するNPO法人ぱっぷすによると、2025年の被害相談は3,450人と前年の約3倍にのぼりました。

参照:神戸新聞NEXT

リベンジポルノの被害にあったら?今すぐやるべき対処法

リベンジポルノの被害にあったら?今すぐやるべき対処法

リベンジポルノの被害にあったら、拡散を最小限に抑えるために、できるだけ早く行動することが大切です。次の順番で対応を進めましょう。

  1. 証拠を保存する
  2. 警察に相談する
  3. サイト管理者・プロバイダに削除を依頼する
  4. Google検索からの削除と再投稿の防止を申請する
  5. 弁護士に相談して削除請求・損害賠償請求を進める

証拠を保存する

削除依頼や警察への相談の前に、まずは投稿の画面やURLなどの証拠を保存しましょう。

先に削除されてしまうと、加害者の特定や証拠の確保が難しくなるおそれがあります。

保存しておきたい証拠
  • 画像・動画が投稿されたページのスクリーンショット(URL・投稿日時が写るように)
  • 投稿されたページのURL・投稿者のアカウント名
  • 加害者から届いた脅しのメッセージや着信履歴
  • 拡散の状況がわかる画面(引用・リポスト・転載先など)

加害者を刺激すると、さらに拡散されるおそれがあります。加害者に直接連絡を取ったり、やりとりの記録を削除したりしないようにしましょう。
また、被害者が18歳未満の場合、性的な画像の取り扱いには注意が必要です。
URLや投稿日時、投稿者の情報などを記録し、画像そのものの保存や共有については警察に相談しましょう。

警察に相談する

リベンジポルノの被害を受けたら、証拠を持って、できるだけ早く警察に相談しましょう。

最寄りの警察署のほか、警察相談専用電話「#9110」や性犯罪被害相談電話「#8103」、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口でも相談できます。

身の危険を感じる場合は迷わず110番してください。

警察に相談すると、画像の削除に向けた助言を受けられるほか、加害者の特定や被害拡大の防止に向けた捜査が期待できます。

ただし、被害届を出しただけでは、すぐに捜査が始まるとは限りません。

リベンジポルノ防止法の罪は親告罪のため、加害者の処罰を求める場合は告訴が必要です。

投稿されたURL・日時・拡散状況などの証拠をそろえ、必要に応じて告訴状を提出しましょう。

警察の対応が十分でないと感じたときは、弁護士に相談するのも一つの方法です。

サイト管理者・プロバイダに削除を依頼する

画像や動画の削除は、投稿されたSNSや掲示板の運営会社、プロバイダに直接依頼できます。

リベンジポルノ防止法には、プロバイダが投稿者に削除の可否を照会し、投稿者が照会を受けた日から2日を経過しても削除に同意しない旨の申し出がなければ、一定の条件下で削除できるという特例があります。

この条件で削除したプロバイダは投稿者への賠償責任を負わないため、通常よりも削除の判断がしやすい仕組みです(削除を義務付けるものではありません)。

また、一般社団法人セーファーインターネット協会の「セーフライン」では、ネット上に拡散した性的画像などについて、サイト運営者などへの削除要請を無料で行っています(実際に削除するかどうかはサイト運営者などが判断します)。

海外のサイトも対象のため、自分で削除依頼を出すのが難しいときに活用しましょう。

2025年4月に施行された「情報流通プラットフォーム対処法」により、大規模なSNSなどの事業者には、削除の申し出に迅速に対応する体制づくりが義務付けられています。

Google検索からの削除と再投稿の防止を申請する

サイト側が削除に応じない場合や、転載先が多すぎて追いきれない場合でも、検索結果から外したり、再投稿を防いだりする手段があります。

Googleの削除リクエスト

Googleには、本人の同意なく公開された性的な画像を、Google検索の結果から削除するよう申請できるフォームがあります。

掲載サイトが削除に応じなくても、検索結果に表示されないようにできる可能性があります。

削除が認められると、Googleは同じ画像の重複も検索結果から取り除くよう対応し、似た検索語で露骨な画像が表示されにくくなる保護も行われます。

複数のURLをまとめて申請できる場合もあります。

ただし、検索結果から消えても、掲載サイトそのものからは削除されません。サイトへの削除依頼とあわせて行いましょう。

参照:Google検索ヘルプ「同意なく公開された露骨な画像や性的な個人的画像をGoogleから削除する」

StopNCII.org(18歳以上)

「StopNCII.org」は、英国のリベンジポルノ相談窓口が運営する無料のツールです。

画像そのものを送らずに、自分の端末で画像から「ハッシュ値」と呼ばれるデジタルの指紋を作成して登録すると、参加しているSNSなどで同じ画像が投稿されるのを検知・防止できます。

Facebook、Instagram、TikTok、Threads、Redditなどが参加しており、Googleも2025年9月に、StopNCIIとの連携を進める方針を発表しています。

利用できるのは、画像に写っている本人で、撮影時に18歳以上であり、その画像を手元に持っている人です。

Take It Down(18歳未満のときに撮影された画像)

18歳未満のときに撮影された画像には、米国の全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)が運営する「Take It Down」が利用できます。

StopNCIIと同じくハッシュ値を使う仕組みで、2024年から日本語にも対応しています。

ハッシュ値から元の画像を復元することはできないため、画像を誰かに見られる心配はありません。
ただし、参加していないサイトには効果がないため、サイトへの削除依頼や警察への相談とあわせて利用しましょう。

参照:Google公式ブログ(StopNCIIとの提携)
参照:家電Watch「未成年の性的コンテンツ拡散を防ぐ『Take It Down』が日本語対応」

弁護士に相談して削除請求・損害賠償請求を進める

サイト管理者が削除に応じない場合や、投稿者が匿名でわからない場合は、弁護士に相談しましょう。弁護士に依頼すると、次のような対応を任せられます。

  • 裁判所を通じた削除請求(仮処分)
  • 匿名の投稿者を特定するための発信者情報開示請求
  • 加害者への慰謝料などの損害賠償請求
  • 告訴状の作成や、加害者からの示談への対応

リベンジポルノはプライバシーや名誉を大きく傷つける行為のため、被害の内容や拡散状況などによって慰謝料の金額は異なります。

費用面が不安な場合は、収入・資産などの条件を満たせば、法テラスの無料法律相談も利用できます。

リベンジポルノの被害の相談窓口一覧

リベンジポルノの被害の相談窓口一覧

「誰に相談すればいいかわからない」という方のために、リベンジポルノの被害に対応している主な相談窓口をまとめました。

相談先主な相談内容連絡先
警察(最寄りの警察署・サイバー犯罪相談窓口)被害届・告訴の受理、捜査、削除に向けた助言#9110(警察相談専用電話)
緊急時は110番
性犯罪被害相談電話性犯罪被害の相談(各都道府県警察につながる)#8103
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター医療・心理・法律などの総合的な支援#8891
法務省 人権相談人権侵害の相談、プロバイダへの削除要請0570-003-110(みんなの人権110番)
インターネット人権相談
こどもの人権110番(法務省)18歳未満の子どもからの相談0120-007-110
セーファーインターネット協会「セーフライン」性的画像などのサイト運営者への削除要請(無料)Webフォームから受付
違法・有害情報相談センター(総務省委託事業)削除依頼の方法などの助言Webフォームから受付
弁護士・法テラス削除請求、発信者情報開示請求、損害賠償請求0570-078374(法テラス・サポートダイヤル)
0120-079714(犯罪被害者支援ダイヤル)

電話番号や受付時間は変更される場合があります。最新の情報は各窓口の公式サイトでご確認ください。

拡散された画像は完全に消せない?デジタルタトゥーと風評被害への対策

拡散された画像は完全に消せない?デジタルタトゥーと風評被害への対策

リベンジポルノの被害で最も深刻なのは、一度拡散した画像を完全に消すことが極めて難しい点です。ここでは、拡散後に起こりうる被害と、その対策を解説します。

  • 一度拡散すると完全に削除するのは難しい
  • 検索結果やサジェストで被害が長期化する
  • 逆SEO・サジェスト対策で被害の長期化を防ぐ

一度拡散すると完全に削除するのは難しい

インターネット上に投稿された画像や動画は、誰かが保存して別のサイトに再投稿する可能性があります。

そのため、元の投稿を削除しても、完全には消えないことが多いのが実情です。

特にSNSや掲示板では、短時間で多くの人の目に触れ、まとめサイトや海外のサイトにまで転載・再拡散されることもあります。

発見した時点でできるだけ早く削除依頼を出し、StopNCIIなどで再投稿を防ぐ対策もあわせて行うことが重要です。

検索結果やサジェストで被害が長期化する

画像が拡散されると、名前で検索したときに関連する投稿が表示されたり、検索候補(サジェスト)にネガティブなワードが出たりすることがあります。

たとえば、就職活動や転職の際に企業が応募者の名前を検索し、過去の投稿が原因で不利になるケースも考えられます。

人前に出るたびに不安を感じたり、日常生活で常に見られているように感じたりと、精神的な苦痛が長く続く被害者も少なくありません。つらい気持ちが続く場合は、ワンストップ支援センター(#8891)など、心理的な支援を受けられる窓口も頼ってください。

逆SEO・サジェスト対策で被害の長期化を防ぐ

削除できない情報が残ってしまった場合でも、ポジティブな情報を継続的に発信すれば、不本意な内容が検索上位に表示されにくくなる可能性があります。これを「逆SEO対策」と呼びます。

また、検索候補(サジェスト)も時間とともに変化するため、継続的な対策が求められます。

削除は弁護士、検索結果の改善は風評被害対策の専門会社と役割を分けて進めると、被害の長期化を防ぎやすくなります。

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リベンジポルノ防止法に関するよくある質問

最後に、リベンジポルノ防止法についてよくある質問にお答えします。

Q:画像を1人に送っただけでも罪になりますか?

拡散を頼まずに1人だけに送った場合、公表罪には原則としてあたりませんが、「広めてほしい」と頼んで送れば公表目的提供罪に問われる可能性があります。

また、被害者が18歳未満で、画像が児童ポルノに該当する場合は、提供行為などが児童ポルノ禁止法違反になる可能性があります。

Q:撮影に同意していた画像でも違法になりますか?

違法になる可能性があります。撮影に同意していても、ネットでの公開まで同意したことにはならないためです。

「2人だけで見る」という前提で撮影した画像を本人の同意なく公開すれば、リベンジポルノ防止法の対象になります。

Q:AIで作られた性的なディープフェイク画像も対象になりますか?

リベンジポルノ防止法は、実際に撮影された画像を対象としているため、AIで生成・合成された画像には適用されない可能性があります。

ただし、名誉毀損罪やわいせつ物頒布等罪などに問われる可能性があり、民事上の削除請求や損害賠償請求も検討できます。

自治体レベルでは、鳥取県が実在する未成年者の性的なディープフェイク画像の作成・提供を禁止し、過料を科す条例改正を行うなど、規制の動きも出ています。また、Google検索では、同意のない偽の性的画像の削除も申請できます。

被害にあったら、警察や弁護士に相談しましょう。

参照:弁護士ドットコムニュース

Q:まだ公開されていなくても、脅されたら相談できますか?

相談できます。「別れたら画像をばらまく」などと脅された段階で、脅迫罪や強要罪にあたる可能性があります。

脅しのメッセージを保存したうえで、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署に相談してください。お金を要求されても、支払うと要求がエスカレートすることが多いため、支払う前に相談しましょう。

Q:加害者が海外のサイトに投稿した場合も削除できますか?

海外のサイトでも削除を依頼できる場合があります。

セーファーインターネット協会の「セーフライン」は海外サイトへの削除要請にも対応しているため、自分での対応が難しい場合は活用を検討しましょう。Google検索の削除リクエストも、掲載サイトの所在国にかかわらず申請できます。

リベンジポルノ防止法と被害にあったときの対処法まとめ

リベンジポルノ防止法は、本人の同意なく性的な画像や動画を広める行為を禁止する法律です。違反すると3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科され、名誉毀損罪や児童ポルノ禁止法、撮影罪などで処罰される可能性もあります。

リベンジポルノ防止法の罪は親告罪のため、加害者の処罰を求めるには、犯人を知った日から6か月以内に告訴権を持つ人が告訴する必要があります。

被害にあったら、スクリーンショットやURLなどの証拠を保存したうえで、警察や弁護士、セーフラインなどの相談窓口に早めに相談しましょう。Google検索の削除リクエストやStopNCIIを使えば、検索結果からの削除や再投稿の防止も申請できます。

また、一度広まった情報は検索結果に長く残り、デジタルタトゥーとして消えにくくなります。削除とあわせて、検索結果やサジェストへの対策も検討し、1日も早く安心できる日常を取り戻しましょう。

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