近年、企業のSNSの炎上が相次いでおり、ブランドイメージの低下や不買運動などの風評被害が問題となっています。
SNSは上手く扱えば、企業のマーケティング強化を図ることができますが、一歩間違えるとネガティブな情報が拡散され炎上してしまいます。
企業の炎上を防ぐには、公式アカウントの適切な運用が重要です。
この記事では、2023~2025年に実際に起こった、企業のSNSの炎上事例をまとめて12選紹介します。
実際の企業にどのような風評被害が及び、どのような対応を迫られたのかを見ていくことで、具体的な風評被害対策を解説します。
ネット炎上でお困りの企業様
関連記事
・ネット風評被害の影響と対策!業界別の誹謗中傷と事例紹介
・従業員(社員)の不祥事と企業が取るべきトラブル対応マニュアル7箇条
・サジェスト対策費用はいくら?相場とおすすめ業者の料金を徹底解説

逆SEO・サジェスト対策の
費用/対策期間を知りたい方
簡単1分!無料で資料を見る
コンテンツ目次
- 1 企業の炎上はSNSで起こりやすい!
- 2 企業のSNSの炎上事例まとめ12選
- 2.1 【事例1】亀田製菓の移民受け入れの記事(2024年)
- 2.2 【事例2】東洋水産の赤いきつねのCM(2025年)
- 2.3 【事例3】Pascoのコオロギパン(2023年)
- 2.4 【事例4】チロルチョコの虫(2024年)
- 2.5 【事例5】松屋の政治家来店ポスト(2025年)
- 2.6 【事例6】アサヒビールのキンプリいじり(2024年)
- 2.7 【事例7】高島屋の潰れたクリスマスケーキ(2023年)
- 2.8 【事例8】Doveの駅ナカ広告(2024年)
- 2.9 【事例9】メルカリの米の転売記事(2025年)
- 2.10 【事例10】チョコザップの募集(2023年)
- 2.11 【事例11】マクドナルドのAI広告(2024年)
- 2.12 【事例12】靴下屋タビオ公式の投稿(2024年)
- 3 企業がSNSで炎上する原因
- 4 炎上した企業と炎上しない企業の違い
- 5 SNS炎上で企業にせまる風評被害
- 6 企業をSNS炎上から未然に防ぐアカウント運用方法
- 7 SNSで炎上のその後の風評被害対策
- 8 企業のSNS炎上のまとめ
企業の炎上はSNSで起こりやすい!

近年の企業の炎上は、SNSで起こりやすくなっています。
それは、SNSが持つ特性が原因です。また、SNSの炎上における日本人の過敏反応も、炎上に油を注ぐ原因になっています。
それらの原因について詳しく解説します。
拡散性の高さ
SNSの拡散性の高さが、企業の炎上を起こりやすくさせます。
例えばX(旧:Twitter)では、リポストをすることで、フォロワーにそのポストを共有することが可能です。またInstagramやTikTok、Youtubeなどでは高評価ボタンがあります。
高評価ボタンを押すことで、その投稿がより多くの人に表示されやすくなるアルゴリズムがあります。SNSのこのような仕様は、炎上に関する情報を一瞬に拡散させてしまう影響力があります。
また、注意したいのがX(旧:Twitter)のトレンドです。企業が炎上した時には、このトレンドに表示されることが多く、より多くのユーザーに炎上が知れ渡ってしまいます。
公式アカウントによるマーケティング
SNSを活用した企業の公式アカウントによるマーケティングは、当たり前のように行われています。企業のSNS公式アカウントを運営する目的は、主に以下の通りです。
- 新商品・サービスの告知
- 販促キャンペーン
- ブランドの認知向上
- ユーザー(消費者)との距離を縮める
このようにみるとメリットばかりですが、SNSは炎上の原因の一つになっています。
一番注意しないといけないのが、不適切な投稿です。社会モラルに反するようなことは、多くのユーザーから反感を買います。
間違って投稿してすぐに削除したとしても、投稿のスクリーンショットを拡散される危険性もあります。よって、SNS公式アカウントの投稿には細心の注意が必要です。
行き過ぎた解釈と責任追及
近年の日本のSNSでは、人権を尊重しすぎるあまり、行き過ぎた解釈と責任追及を見かけることがあります。例えば、企業の広告イラストの表現が配慮に欠けているということで炎上することがあります。
一見、どこに問題があるのか疑いたくなるようなものでも、見る人にとってはアウトな場合があります。そして、それを絶対に許さないという姿勢をみせる人が、日本は特に多いです。
このような解釈の多様性と過度な責任追及により、本来炎上するはずのない事案でも炎上してしまうのです。
企業のSNSの炎上事例まとめ12選

企業のSNSの炎上事例をまとめました。
業界を問わず、様々なことが原因で炎上は起こります。事例を見ていくことで、炎上後の対応や被害の大きさも理解しやすいでしょう。

2023年~2025年という、最近の事例に限定して紹介していくので、参考にしてください。
ネット炎上でお困りの企業様
【事例1】亀田製菓の移民受け入れの記事(2024年)
2024年、亀田製菓のCEOが日本への移民を受け入れるとした記事が炎上しました。
これはAFP通信によるインタビュー記事で、亀田製菓のCEOは「移民を受け入れる」と発言したわけではありません。実際の発言は、日本企業のCEOが外国人なのは珍しいことなので、日本はもっと柔軟に人材を受け入れることが重要だと話していました。
ただ、記事のタイトルには「日本はさらなる移民受け入れを」という言葉が使われたため、移民反対の人から多くの反感を買い炎上しました。また炎上したことで、CEOが日本人でなくインド人であることと、亀田製菓の人気商品の「柿の種」が中国産であることも判明し、大きな風評被害となりました。
SNSでは、同社の「柿の種」や「ハッピーターン」を買わないという人が増え、株価も下落する事態に陥りました。
炎上理由
切り取りタイトルによって無配慮な表現で伝わり拡散された
炎上後の影響
・不買運動
・株価の下落
【事例2】東洋水産の赤いきつねのCM(2025年)
2025年、東洋水産の人気商品である「赤いきつね」のCM表現が配慮に欠けているとし、炎上しました。
CMでは、女性が家で赤いきつねを食べている姿が描かれていましたが、この女性の仕草や頬を赤らめている表現が、女性から性的であると問題にされました。
またCMのアニメが生成AIではないかという、関係のないクリエーターにまで風評被害が及ぶ事態に陥りました。これを受けて、CM制作会社はアニメが生成AIではないことを公表し、クリエーターへの誹謗中傷は許さないことを表明しています。
このCMは、配信当初は批判的意見は特にありませんでした。しかし、一部からの性的な表現だとCMを指摘する強い批判的意見がメディアに取り上げられたことで、あたかも多くの声があがっているように広まり、批判の声が増え炎上状態になりました。
しかし、炎上中には「どこが問題なの?」という人も多数存在し、赤いきつねを購入しようという動きも起きました。
このように、赤いきつねと先ほど紹介した亀田製菓の炎上は「エア炎上」とも言われています。
炎上理由
広告の表現方法。一部の非難の声があたかも大きく炎上しているかのように取り上げられ、拡散された。
炎上後の影響
・CMクリエイターへの風評被害
・表現に問題があるのか賛否の論争
【事例3】Pascoのコオロギパン(2023年)
2023年、敷島製パンが販売するPascoブランドのパンに、食用コオロギパウダーが入っていることが話題となり炎上しました。
2020年以降、昆虫食が世界の食糧危機を救うとして、大きな注目を浴びました。その中でもコオロギ食がブームになっており、様々な企業で食品加工が進められました。
ただ虫嫌いな人にとって、コオロギはゴキブリのような見た目のため、どうしても受け入れられませんでした。また、同時にコオロギの健康被害の可能性を示唆するデマも広まっていました。
そんな中、2023年にPascoブランドの一部商品に食用コオロギパウダーが入っていることがSNS上で話題になりました。それを見た人の中からは、同ブランドの「超熟」という食パンを買わないといった声が多く寄せられるようになります。
この影響により、実際のスーパーの食パンコーナーで「超熟」が売れ残っている画像も拡散されて、さらなる風評被害につながりました。
炎上理由
コオロギ食のデマによる風評被害
異文化として受け入れられなかった
炎上後の影響
不買運動
【事例4】チロルチョコの虫(2024年)
2024年、X(旧:Twitter)の投稿で、チロルチョコの中に虫が湧いている画像や動画が投稿され炎上しました。実際に虫がいる画像は多くの人に衝撃を与え、X(旧:Twitter)上で多くの人に拡散されました。
これを受けて、チロルチョコの公式SNSは、投稿内容のチョコが季節商品であるため昨年以前のものではないかという指摘をし、投稿主にその事実確認を行いました。
すると公式SNSの指摘通り、投稿されていたチョコは投稿主側によって古く長期保管されていたものであることが判明しました。
この炎上では、チロルチョコ側が悪かったわけではありませんが、公式SNSはこの一件で不快に感じた消費者に謝罪の投稿をしました。
このチロルチョコの炎上の対処を素晴らしいと評価する人が多く、チロルチョコは炎上をきっかけにブランドイメージを強く固持する結果となりました。
これは、炎上をチャンスに変えた稀な事例です。
炎上理由
消費者の無配慮な投稿
炎上後の影響
ブランドイメージのアップ
ネット炎上でお困りの企業様
【事例5】松屋の政治家来店ポスト(2025年)
2025年、牛丼チェーンの松屋の公式SNSが、政治家の河野太郎さんとティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使が来店した様子を投稿し炎上しました。
松屋では、ジョージアの伝統料理であるシュクメルリが期間限定メニューにあり、その流れでジョージア大使と河野太郎さんが来店していました。
松屋の投稿には、河野太郎さんの政治活動に不満を抱いている人による、「もう松屋はにいかない」といった投稿が多く寄せられました。
SNSでは、政治思想を持ち込むと反対派の人からバッシングを受けやすい環境です。
それが企業の公式SNSともなると、風当たりは強くなるため、注意しなければいけません。
炎上理由
公式SNSの政治思想を含んだ投稿
炎上後の影響
不買運動
【事例6】アサヒビールのキンプリいじり(2024年)
2024年、アサヒビールの公式X(旧:Twitter)による新CMの告知が炎上しました。
問題の投稿は、「待ってこれ 手震えるんだけど #ドライクリスタル #ドラクリ」というテキストと共に、告知文の一部の文字を抜き出すと、違う言葉が出てくるというものでした。
一見、何も問題がないように見えますが、「待ってこれ 手震えるんだけど」という表現が炎上の原因になりました。
「待ってこれ 手震えるんだけど」というのは、アイドルグループのKing&Princeのメンバー脱退が発表されたときのファンの反応に似ていたのです。
当時のメンバーの平野紫耀さんの公式ブログの言葉を縦読みすると、「かなしいなてはなすの」という言葉が出てきて、それに対してファンが「待ってこれ 手震えるんだけど」と反応していたのです。
この件で、アサヒビールは不幸を楽しむ悪趣味だと非難を浴びることになりました。
また手が震えるという表現が、アルコール依存症を想起させるとした別の批判までも出てきて大きな炎上騒ぎとなりました。
炎上理由
無配慮な広告表現
炎上後の影響
・ブランドのイメージダウン
・不買運動
【事例7】高島屋の潰れたクリスマスケーキ(2023年)
2023年、高島屋で注文したクリスマスケーキが、潰れた形で届けられたとするX(旧Twitter)のポストが炎上しました。また、一件の投稿に反応するかのように、多くの購入者が同様に潰れたケーキが届いたと写真を投稿し、大きな問題となりました。
これを受けて高島屋は、会見を開き謝罪しました。
高島屋は原因を調査しましたが、結局分からず、再発防止と品質管理体制の強化に努めることとなりました。
このケーキを監修したフランス料理店にも、一部風評被害が及ぶ事態となりました。
炎上理由
品質トラブル
炎上後の影響
・ブランドイメージの低下
・監修店への風評被害

逆SEO・サジェスト対策の
費用/対策期間を知りたい方
簡単1分!無料で資料を見る
【事例8】Doveの駅ナカ広告(2024年)
2024年、渋谷駅に掲示されたユニリーバのスキンケアブランド「Dove(ダヴ)」の広告表現がSNSで拡散され炎上しました。
広告は「国際ガールズデー」に合わせた内容で、「#カワイイに正解なんてない」というキャッチコピーとともに、既存のカワイイの価値観を消す表現がありました。
この中には「顔の大きさ17cm」「中顔面6.5㎝」といった、美容業界でカワイイとされる具体的な条件がいくつも並べられており、これが多くの女性から反感を買いました。
女性からは「自分のことを言われているみたい」や「なんで女性だけがこんなことを気にしなければいけないのか」といった声が寄せられました。
本来は、そのような価値観を捨てようという内容だったにも関わらず、その悪い表現だけが目立ってしまった結果、炎上につながりました。
この炎上は不買運動にもつながり、女性を多くの顧客に持っていたブランドのためその影響は計り知れません。
炎上理由
無配慮な広告表現
炎上後の影響
・不買運動
【事例9】メルカリの米の転売記事(2025年)
2025年、メルカリが過去にコメの転売方法の記事を掲載していたことがSNSで話題となり、炎上しました。
日本では、2024年からお米の高騰が国民の中で大きな話題となっていました。2025年になっても、その高騰は収まらず、外国人による転売が原因ではないかという話題が上がりました。
実際にメルカリではお米が転売されていて、その話題の中で2022年にメルカリ自身が「メルカリでお米を販売しよう!」という記事を掲載していたことが発覚します。
これに対して、SNS上ではメルカリがお米の転売を推奨していたとして、強く非難をする流れが起きました。実際は、生産者向けの内容でお米が高騰する前に投稿された記事でしたが、炎上につながりました
炎上理由
無配慮な記事の投稿
タイミングの悪さ
炎上後の影響
・不買運動
【事例10】チョコザップの募集(2023年)
トレーニングジム大手のライザップが運営する「chocoZAP」で、店内改装工事の求人募集が炎上しました。
その求人は会員に向けたもので、「お手伝い」と柔らかい表現ではあるものの、実際は第2種電気工事士の資格がいるものや、外壁塗装工事など、専門的な技術が必要な内容でした。さらに、報酬は通販のギフト券だったことから、とても「お手伝い」と言えるレべルの仕事ではなく、報酬が安いとして批判を浴びました。
これに対して、運営は会員に謝罪しています。
ジムの会員に向けた体力作りも兼ねての「お手伝い」という表現が、炎上につながりました。
炎上理由
無配慮な求人の表現
炎上後の影響
・ブランドイメージの低下
【事例11】マクドナルドのAI広告(2024年)
2024年、マクドナルドが公式X(旧Twitter)に投稿したプロモーション動画が炎上しました。問題になった動画は、生成AIが活用されており、マックフライポテトを食べる美少女が次々と出てくる内容でした。
この動画を見た人の中からは、気持ちが悪くて買う気をなくしたといった声が多く寄せられました。
生成AIは、リアルな人間の画像や動画を一瞬で生成します。ただ時にリアルな描写は、「不気味の谷」と呼ばれる人が不快に感じるクオリティになってしまう恐れがあります。
今回は、生成AIが招いた「不気味の谷」と、それが食品のプロモーションであったことから食欲に繋がりにくく炎上したと言えます。
また、AIクリエイターのクレジットも掲載されていたため、クリエイターへの風評被害にもつながりました。
炎上理由
生成AIによる不気味な表現
炎上後の影響
・不買運動
・クリエイターへの風評被害
【事例12】靴下屋タビオ公式の投稿(2024年)
2024年、靴下屋を運営するタビオの公式X(旧Twitter)が、不適切な投稿をして炎上しました。ある一般ユーザーの、「破れないストッキングは技術的に作れるが、買わせるために意図的に作っていない」といった投稿でした。
これに対して、公式X(旧Twitter)は「『破れないストッキング』は都市伝説、陰謀論の領域です。作れるんなら作ってます」と、ややケンカ腰で怒ったような態度を見せていました。その後も高圧的な態度の投稿が続いたため、それを見たユーザーから批判を浴びることになりました。
タビオは、これらの投稿を削除し、謝罪することとなりました。
これは社員が公式SNSを、プライベートアカウントのような感覚で扱っていたため、軽々しい発言につながり炎上したものと考えられます。
なお、タイツ業界ではアツギ株式会社でも、XでのPR投稿が2度炎上した過去があります。
炎上理由
SNSの不適切な投稿
炎上後の影響
・ブランドイメージの低下
関連記事
・ネット風評被害の影響と対策!業界別の誹謗中傷と事例紹介
・従業員(社員)の不祥事と企業が取るべきトラブル対応マニュアル7箇条
・代表者(社長)の逮捕で会社はどうなる?逮捕の流れとその後の風評被害
企業がSNSで炎上する原因

企業がSNSで炎上する原因は様々です。それは、公式SNSアカウントを運営する社員の行動から起因する時もあれば、消費者の投稿から起因する時もあります。
いずれの場合においても、SNSの炎上は企業にとって大きな風評被害となるため、避けなければいけません。

ここでは、それらのSNSでの炎上の原因を解説します。

逆SEO・サジェスト対策の
費用/対策期間を知りたい方
簡単1分!無料で資料を見る
公式SNSアカウントの不適切発言
企業の公式アカウントの発言は、SNSの炎上原因としてよくあることです。
SNSの公式アカウントの運営の大きな目的は、広報としての役割を果たすことです。そのため、新商品の告知やキャンペーン情報を投稿することが多くなります。
しかし、長く公式アカウントの運営を続けていると、フォロワーも増え、SNS上での交流も多くなります。結果、広報活動以外にも、他の企業アカウントや消費者と情報交換したりすることが多くなっていきます。
そのような交流の場では、友達のような感覚でメッセージのやり取りをするので、無配慮な言動をしてしまうリスクが高まるのです。
一度不適切な発言をしてしまうと、削除してもスクリーンショットで切り抜かれて、すぐに拡散されることもあります。
広告・キャンペーンの表現
広告やキャンペーンの表現が原因で、SNSで炎上することがあります。例えば、イラストやキャッチコピー、動画など様々な表現から炎上に発展します。
この記事で取り上げている事例でも、以下のようなケースで炎上しています。
広告やキャンペーンの炎上は、消費者からの問題を指摘する投稿で明るみになる場合と、企業アカウントが直接広告を投稿して炎上する場合があります。
特に、企業アカウントがその広告を直接投稿していた場合、その投稿に対して非難する内容の返信が数多く寄せられることとなり、風評被害が余計に大きくなります。
またその投稿をすぐに削除すると、それはそれで火消しや隠ぺいのように思われて、印象が悪化することもあり、注意しなければいけません。
商品やサービスのトラブル
企業の商品やサービス上のトラブルが、SNS上に投稿されることで炎上する時があります。例えば、事例でも取り上げた高島屋の潰れたクリスマスケーキはその代表例です。
消費者からの画像を交えたトラブル投稿は、見る人に大きなインパクトを与え、すぐに拡散されてしまいます。
ただ、この炎上で注意しなければいけないのが、本当に事実かどうかを見極めることです。
チロルチョコに虫が入っていた事例では、消費者が長期保存していたために起こったトラブルのため、企業側に非はありませんでした。一度は炎上しそうになりましたが、身の潔白が証明されたことで、チロルチョコはむしろ炎上によってブランドイメージを向上させています。

消費者の投稿には、まず事実関係を調査することが大切です。
行き過ぎたエイプリルフール
行き過ぎたエイプリルフールのネタが、炎上してしまうこともあります。
エイプリルフールは一年に一回だけウソをついても許される行事として、日本でも広く一般的に受け入れられています。企業の公式SNSにおいても、エイプリルフールは面白いネタを発信して話題を生むチャンスです。
ただ、このエイプリルフールのネタが、真に受けられてしまって勘違いや誤解を生んでしまうことがあります。
例えば、2024年4月1日にケンタッキーの公式SNSが投稿した「チキンの詰め放題」のネタがあります。この投稿には、チキンを詰めている画像と共に価格も記載されており、まるで本当のように思えるものでした。
これに対して本当かウソか分かりにくく、やりすぎだと言った意見が多く、広報が謝罪することとなりました。
面白い範囲でのウソであれば良いですが、さじ加減を間違えるとイメージダウンに繋がるので注意が必要です。

エイプリルフールの投稿内容は、社内で検討を重ね慎重に行いましょう。炎上リスクを避けるのであれば、投稿しないほうが良いでしょう。
バイトテロ・バカッター
バイトテロやバカッターによる不適切行動の投稿は、SNSでも炎上しやすい原因の一つです。
バイトテロとバカッターには、それぞれ以下のような特徴があります。
従業員による不祥事のため、企業に強く責任が問われる
消費者による問題投稿だが、企業にも管理体制の甘さなどを指摘される場合がある
これらは、店舗内での問題行動が多く、炎上すればその店舗を営業停止や、最悪の場合閉店しなければいけなくなります。
また、投稿された動画の情報が浅いと、該当店舗や従業員の特定に時間がかかり、炎上が悪化していく恐れもあります。

バイトテロやバカッターの動画は刺激的な内容が多く、拡散も早いため、その後の風評被害対策が大事です。
女性蔑視
女性蔑視と取られるような投稿をすることで、企業のSNSが炎上することがあります。
女性蔑視(じょせいべっし)とは、女性を見下したり劣ったものとして捉えたりする発言や行動です。
近年、性別を意識しないジェンダーレスの考えが、より強まっている傾向があります。そのため、微妙な表現のニュアンスが、見る人にとっては女性蔑視だと思うことがあるため注意しなければいけません。
この記事でも取り上げた、赤いきつねのCMで女性がうどんをすする姿が炎上したのは、その例といえます。

性差別は、作り手の考え以上に解釈が一人歩きしやすいため、十分に配慮しなければいけません。
宗教・文化・政治に対する無配慮
宗教・文化・政治など、投稿内容に強い思想が含まれることで炎上することがあります。
事例で取り上げた、牛丼チェーンの松屋の投稿では、政治家が映っていたことで、その政治活動を指示しない人から大きな批判を浴びることになりました。
他にも、例えば商品デザインに宗教や国を想起させるようなモチーフがあれば、国際情勢と絡めながら批判をする人が出てくる可能性があります。
このように、SNS上での企業アカウントの投稿に、強い思想やそれを想起させるものを含めることは炎上につながりやすくなります。

グローバルな視点を持って、表現の配慮をすることが重要です。
炎上した企業と炎上しない企業の違い

世の中には、似たような事案であっても、炎上する企業と炎上しない企業があります。
具体的に、炎上した企業と炎上しない企業を事例ごとに比較してみます。
炎上した企業とその理由 | 炎上しなかった企業とその理由 | |
---|---|---|
生成AIのCM | マクドナルド 生成AIのクオリティが不気味と取られて、マイナスイメージになったため | 伊藤園 生成AIを上手く活用した好事例として、話題性が高まったため |
食品トラブル | 高島屋のケーキ ケーキが潰れていた原因の特定できなかったため | チロルチョコ 虫の混入の原因を特定し、企業側に非がないことが証明されたため |
これらを比較して分かることは以下の通りです。
以上のようなことに気を付けていれば、炎上するような事案を炎上しない事案へと変えることができます。
関連記事
・サジェスト対策費用はいくら?相場とおすすめ業者の料金を徹底解説
・従業員(社員)の不祥事と企業が取るべきトラブル対応マニュアル7箇条
・ポリコレとは?日本と海外のポリコレと炎上事例からわかる企業の対策
SNS炎上で企業にせまる風評被害

企業によるSNS上の活動は、自社のブランディングやマーケティングに大きく貢献します。ただ炎上してしまうと、その風評被害による悪影響が大きいのも特徴です。
ここでは、企業がSNS炎上した場合に起こる風評被害について解説します。
ネット炎上でお困りの企業様
ブランドイメージの低下
SNSで企業が炎上すると、ブランドイメージの低下は避けられません。
SNSはもともと拡散性の高いプラットフォームですが、炎上のようなネガティブなことはユーザーに注目されやすいため、ポジティブな情報より余計に広まりやすいです。
公式アカウントに向けた、不平不満の投稿をするユーザーも増え、誹謗中傷やデマを流される危険性もあります。
またネットニュースに取り上げられれば、そのニュース記事がSNS上に共有されて、どんどん炎上の規模が膨らんでいきます。
これは、Googleのような検索エンジンにも影響を与え、自社名を検索すると、その炎上に関するニュース記事ばかりが表示されるようになる危険性もあります。

逆SEO・サジェスト対策の
費用/対策期間を知りたい方
簡単1分!無料で資料を見る
不買運動
SNSで企業が炎上すると、不買運動が起こることがあります。
「もう○○の商品は買わない!」「○○のお店には二度と行かない!」といったように、炎上した企業に嫌悪感を示す投稿がよく見受けられます。またこのような投稿には、それを見た人にも「わたしもやめておこうかな」と思わせる力があります。
どれくらいの人が不買運動をしているかは可視化できませんが、SNS上ではまるで世間一般の大多数が不買運動をしているように見えてしまうのです。
このようなことが大勢の人に伝播していって、やがて企業の商品やサービスが全く売れなくなる危険性があります。
企業の売上にも影響を及ぼすため、風評被害対策でそのダメージを最低限に抑える必要があります。
採用活動への悪影響
SNSで企業が炎上することで、採用活動に悪影響が出てきます。
例えば、炎上後は新入社員の応募者が減ってしまう可能性があります。炎上したと分かっている企業に、あえて飛び込むようなリスクを取る人はほぼいません。
また、企業に採用の応募をする時、企業のHPを調べたりするのが一般的ですが、ここにも落とし穴があります。企業名を検索すると、企業HPと合わせて炎上のニュース記事なども一緒に検索結果に出てくるのです。
偶然、応募者が炎上のことを知らなかったとしても、こうしたことで炎上に気付いて応募をためらう可能性が出てきます。
関連記事
・就活会議は怪しい?評判は?口コミの削除方法から風評被害対策まで解説!
・転職会議の悪評はバレる?口コミを見る方法から口コミ削除の方法まで徹底解説
・OpenWork(オープンワーク)とは? 口コミの影響や削除方法まで徹底解説!
企業をSNS炎上から未然に防ぐアカウント運用方法

企業のSNS炎上を未然に防ぐには、公式アカウントを適切に運用することが重要になります。
なぜなら企業のSNS炎上の多くは、企業の公式アカウントの粗末な言動が原因で起こっているからです。


ここでは、公式アカウントで炎上しないための運用方法を解説します。
一般ユーザーにリプライしない
まずは、一般のユーザーと交流しないことです。
企業アカウントの中には、一般ユーザーと日常的に交流を行うことで、ブランドの認知に大きく貢献している企業もあります。
しかし、一般ユーザーとの交流はマニュアルのようなものが一切ありません。そのため、運用している社員がその場しのぎで考えた言葉を使って、メッセージのやり取りが行われることがほとんどです。
このようなやり取りは、ユーザーとの距離を縮めようとフランクになりがちで、つい行き過ぎた表現になる恐れがあります。
他企業の公式アカウントと交流しない
SNS上では、他の企業のSNSアカウントと交流を持って、上手く広報活動につなげている企業も存在します。一般ユーザーからしてみれば、このような企業同士が仲良く交流する姿は微笑ましく、好意的に捉えられることがほとんどです。
ただ、他の企業アカウントとの交流は、それぞれで運用方法が異なるため、あまり深く関わりを持ちすぎることはリスクになります。
例えば、交流を深めていた企業が炎上すれば、一般ユーザーは「あの炎上した企業と交流していた」という認識を持つことになり、風評被害となります。
もちろんその逆で、相手の企業に迷惑をかけてしまう可能性もあるため注意が必要です。
交流することもSNSアカウントの魅力の一つですが、炎上を避けたいのであれば、なるべく自社発信の投稿のみに留めるようにしましょう。
公式アカウントを私物化しないよう教育
企業の公式アカウントの運用は、一人の社員が担当することが多く、これが炎上発生の原因となることがあります。
一人でアカウント運用していると、徐々に感覚が鈍ってきて、プライベートのアカウントと企業アカウントの区別がつかなくなってしまう恐れがあります。本来、プライベートアカウントで投稿する私的な内容を企業アカウントで投稿してしまうと、情報漏洩やプライバシーにかかわる問題に発展します。
これがSNS上で発覚すると、企業の信用を大きく損ねることになるため、気を付けなければいけません。そのため、企業アカウントを私物化しないような社員教育が大切です。
また、2人以上で交代で管理するといった、私物化意識をなくす方法も有効です。
投稿前に社内で二重チェックする
SNSの投稿前にその内容に問題がないか、チェック体制を強化することも大切です。このようなことは、運用マニュアルの一つとして、どのような方法で誰にチェックしてもらうかなど細かく決めておいた方がいいでしょう。
一人だけで運用すると投稿内容の問題点に気付きにくいですが、事前にチェックが入ることで、配慮に欠けた言葉遣いや表現を規制して、炎上の未然防止につなげることができます。
また投稿者本人も、チェックされるという意識を持って投稿内容を考えるようになるため、両方の面でプラスに働きます。
このように、企業アカウントの運用方法に気を付けていれば、炎上を回避することができます。
SNSで炎上のその後の風評被害対策

SNSの炎上は、その後の企業にとって大きな風評被害として付きまとうことになります。
一度起こってしまったトラブルを元に戻すことはできません。ただ、その後の悪影響を最低限に抑えることは可能です。
ここでは、炎上後の企業にできる風評被害対策について解説します。
ネット炎上でお困りの企業様
再発防止策による社内ガバナンスの強化
企業がSNSで炎上した時、最も大切なことは炎上を再発させないことです。まずは再発防止策を徹底し、社内ガバナンスを強化することが不可欠になります。
社内ガバナンスの強化には、社員教育も含まれます。社員向けのSNSやネットリテラシー研修を実施し、公式・個人アカウントの適切な運用を周知することが重要です。研修には、あらかじめ明確なガイドラインを策定し、全社員が共有できることが望ましいでしょう。
これらの取り組みによって、社内ガバナンスを強化することが風評被害対策になります。
ポジティブな情報発信
炎上後の企業イメージを回復するためには、積極的にポジティブな情報を発信することが重要です。SNSや公式サイトを活用し、企業の強みや社会貢献活動、新商品や新サービスの情報を発信することで、悪いイメージを払拭しやすくなります。
例えば、再発防止策の進捗や、その効果の測定を公表することも、炎上に対して誠実に対応している姿が伝わるため効果的です。
炎上前と同じような発信を続けるのではなく、ユーザーの意見に耳を傾け、透明性のある対応を心掛けることが、風評被害対策になります。
逆SEO対策やサジェスト汚染対策
炎上の影響が長引く要因の一つに、検索結果でネガティブな情報が上位に表示され続けることが挙げられます。これを防ぐためには、逆SEO対策やサジェスト汚染対策を行い、風評被害を最小限に抑えることが大切です。
逆SEOとは、検索結果の企業のネガティブな情報を目立たなくし、プラスになる記事を上位に表示させることで、風評被害を減らす施策です。また、検索エンジンのサジェスト機能(予測候補)に、ネガティブなワードが表示されるのを減らすことをサジェスト汚染対策と呼びます。
これらのWeb上の施策は、一人で行うには専門的な知識と膨大な時間が必要になるため、逆SEO対策やサジェスト汚染対策を専門とする業者に依頼する方法も視野に入れましょう。
ネガティブな情報が消えるわけではありませんが、目につかなくなることは風評被害対策として有効に働きます。

逆SEO・サジェスト対策の
費用/対策期間を知りたい方
簡単1分!無料で資料を見る
関連記事
・逆SEO対策とは?やり方を解説する完全ガイド
・逆SEO対策のプロが業者選びで依頼をお薦めする業者5社!比較ポイントを解説
・【画像付】サジェスト/関連ワードの削除対策方法を解説!Google/Yahoo/Bing対応
・サジェスト対策費用はいくら?相場とおすすめ業者の料金を徹底解説
企業のSNS炎上のまとめ

SNSは、企業にとって有効なマーケティングツールです。ただ、使い方を間違えると、炎上して風評被害のリスクを伴います。
炎上の原因は、実際の炎上事例を見ると、不適切な発言、消費者の問題投稿、無配慮な広告表現などがあります。これらのいくつかは、企業の公式アカウントが適切に運用されていれば未然に防げるものです。
しかし、どうしても炎上してしまった場合には、その後の風評被害を抑える対策が必要になります。風評被害対策には、自社でできるポジティブな発信と専門業者に依頼するWeb施策が重要です。
企業の信頼を守るためにも、炎上事例を参考に適切な対策を立てましょう。
#炎上 #SNS炎上 #企業の炎上
適切なSNSアカウントの運用で、企業を炎上から守りましょう。