退職者や元従業員による、企業への誹謗中傷や嫌がらせが問題になっています。
具体的には会社に対して不満や不信感を抱えたまま退職した従業員が、ネット上で悪口を拡散したり、内部情報を暴露したりする行為です。
SNSや口コミサイトが普及した今では、たった一つの投稿が企業イメージに大きな悪影響を及ぼすケースも珍しくありません。
またこうした誹謗中傷は、風評被害や採用難、社内のモチベーション低下といった長期的なリスクにもつながります。
本記事では、退職者による悪意ある行動の原因や具体的な事例、そしてそれに対して企業が取るべき対応策や未然防止策について、詳しく解説していきます。
企業として退職者のリスクを正しく理解し、早期対応と予防に取り組むことが長期的な企業価値の維持につながります。
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コンテンツ目次
退職者による嫌がらせは「リベンジ退職」として社会問題になっている

会社に対して不満を持ったまま退職した従業員が、退職後にその会社に仕返しのように嫌がらせをする「リベンジ退職」が問題となっています。
嫌がらせの中には、内部情報の暴露から悪い噂やデマを流して評判を下げるような行為まで、さまざまです。
こうした行為が度を過ぎていくと、やがて企業は深刻な風評被害に悩まされる恐れがあります。
これは、働き方改革やコンプライアンス意識の高まりとともに、従業員の権利意識が強まったことも一因といえるでしょう。
さらに、SNSや口コミサイトの普及によって、個人が匿名で企業の評価を左右できる時代になったことも、拍車をかけています。
投稿が拡散されることで、企業のイメージが悪化し、採用や取引先との関係にも悪影響が及ぶ可能性があります。

企業としては、退職者とのトラブルを未然に防ぐための対策が重要になります。
退職者・元従業員が辞めた会社の悪口を言う原因

退職後に元従業員が、会社の悪口を言うことは少なくありません。
これは単なる突発的な感情だけではなく、その背景には、環境や立場の変化に伴った心理的な要因が複雑に絡んでいます。
ここでは、退職者が悪口を言う原因となる代表的な要素を解説します。
不満や恨みを抱えたまま退職
退職者が、会社の悪口を言う典型的な理由の一つが、在職中に抱えていた不満や恨みが解消されずに退職することです。
例えば、パワハラや過重労働、正当な評価が得られなかったなどの、どうしても納得できなかった経験は、退職後にもその人の記憶に強く残ります。
そのどこにも発散できないストレスが溜まっていくと、やがて会社に対しての怒りに代わり、SNSや口コミサイトに会社の悪口を書くことで、ストレス発散するようになるのです。
このようなケースでは、悪口を書いている退職者は被害者意識が強く、また話を誇張することで、より多くの人から共感を得ようとします。

企業にとっては、これらはデマや誹謗中傷となって、それを見た人が真に受けると風評被害となってしまいます。
転職先へのアピール(自身の正当化)
新しい職場に就いたとき、周りの人から前職の退職理由を聞かれるシーンは、誰にでも訪れるものです。
その際に、自分の判断や行動を正当化する目的で、前の会社に問題があったことを語る人が多いです。
例えば「上司の指導が理不尽だった」「評価制度が不透明だった」のような言い分が、転職先に自分を良く見せる意図から出てくる場合があります。
これは一種の自己防衛でもありますが、これが職場だけでなく、友達、知り合い、家族と繰り返されるうちに、その言い分がまるで既成事実のように広まってしまうことがあります。
退職者は企業の知らないところで、会社の評判を下げる悪口を言いふらしていることがあります。

このようなことを防ぐには、悪口を言われないための根本的な対策が必要です。
転職サイトの口コミ閲覧の条件
一部の転職サイトでは、他人の口コミを閲覧するために、「自分が1件口コミを書き込むこと」が閲覧条件となっているサイトがあります。
これにより、特に強い思い入れがなくても、無理にエピソードをひねり出して投稿することがあり、その内容がネガティブになりやすい傾向があります。
- OpenWork(オープンワーク)
- キャリコネ
- 転職会議
- エンゲージ 会社の評判
※口コミの詳細情報の閲覧条件のものも含む
また、悪い体験のほうが印象に残りやすく、投稿する動機になりやすいことから、転職サイトの口コミは全体として「悪口」に偏った口コミが集まりやすくなっているのも事実です。

こうして本来は閲覧だけを目的としたユーザーの軽い投稿が、結果的に企業の評判に影響を与える要因となることもあります。
そのため企業側としては転職サイトの口コミの傾向や内容に敏感になる必要があります。
独立や起業による競合意識
退職者が独立や企業をした場合、それが元の会社と同業だった場合は、競合他社となることがあります。
この場合、退職者は自分のビジネスに優位性を見い出そうとするあまり、元いた会社の評判を下げるようなネガティブ情報を拡散する可能性があります。
また独立や起業をしなかったとしても、退職者が同業種の仕事に就くことは珍しくありません。
競合他社に転職した元従業員が、前職の内部事情を持ち出して「前の会社ではこんな非効率なやり方をしていた」とネガティブな発言をするケースも見受けられます。
このような行為は、会社の評判を下げるだけでなく、機密情報の持ち出しにもなるため、その情報を転用されることで思わぬ形で不利益を被る可能性があります。

退職者の悪口は、情報管理においてもリスクにつながることを認識しておきましょう。
退職した元従業員による嫌がらせ

退職した元従業員による嫌がらせは、企業にとっては大きなリスクとなることがあります。
それは単なる悪口だけにとどまらず、営業妨害や会社の信用を揺るがす深刻な事態を招くケースもあります。
こうしたことが、一人の退職者によってネットを通じて簡単に行えるのが現状です。
ここでは、元従業員による嫌がらせの代表例を3つ紹介します。
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悪口や誹謗中傷をネットに書き込む
元従業員が、企業に対する悪口をネット上に書き込む行為は、よくある嫌がらせの一つです。
近年では、SNSや掲示板など、匿名で気軽に投稿ができる環境が整っているため、このような行為は、企業が把握していないだけで頻繁に起こっている可能性が考えられます。
またこうした投稿は、事実と異なるデマや、誰かを傷つける誹謗中傷が混じっていることも多く、企業側にとっては名誉を毀損されるだけでなく、経営にも悪影響が及ぶため注意が必要です。
ネットのネガティブな情報は、対処しない限り残り続けるので、風評被害となって長期的な企業リスクの原因になります。

企業としては、必要に応じて削除申請や法的措置、風評被害対策などを講じる必要があります。
引継ぎをしなかったり繁忙期に突然やめる
意図的に業務引継ぎを行わなかったり、繁忙期を狙って突然退職する行為も、企業にとっては実害を伴った嫌がらせになる場合があります。
例えば、業務マニュアルや顧客情報の整理を一切行わずに退職されると、現場は混乱し生産性が著しく低下します。
また、繁忙期に突発的に辞められると、残された社員への負担が増し、社内のモチベーションにも悪影響を与えかねません。
こうしたことは、企業にとっては突然降りかかるリスクのため、防ぎようがないように思えます。

ただ、従業員が不満や恨みを抱かなければ、このようなことは起こらないため、社内環境の改善が予防策になります。
機密情報の漏洩や内部告発
退職後に企業の機密情報を漏洩する行為は、法律に触れるかもしれない重大な嫌がらせです。
具体的には、顧客情報、開発中の商品情報などを競合他社に提供したり、SNSで公開するような行為が挙げられます。
また、内部告発としてマスコミや行政機関に情報提供を行う例もあり、これは場合によっては公益性があると認められる一方で、誇張されたり事実に反する情報が拡散されると、企業の信用失墜に直結します。
特に、企業イメージに関わる不祥事の漏洩は拡散力が強く、炎上を悪化させないための早期対応が重要です。

企業としては、あらかじめ従業員と秘密保持契約の締結を徹底することが、リスク回避につながります。
退職した元従業員による誹謗中傷の悪影響

退職した元従業員による誹謗中傷は、一時的なトラブルにとどまらず、企業に対してさまざまな悪影響を及ぼします。
特にSNSや口コミサイトでの誹謗中傷は、拡散力が高く、一つの投稿が与えるネガティブな影響力は大きいです。
たった一つの投稿だけならと放置していると、時間が経つにつれて大きな風評被害となる可能性があります。
ここでは、元従業員の誹謗中傷が企業に与える悪影響を解説します。
風評被害で会社としての信用を失う
元従業員の誹謗中傷がネット上に広がると、企業は風評被害にさらされます。
たとえ投稿内容が一部の主観や誤解に基づいた間違ったものであっても、それを見た人は「そういう会社だ」と直感的に判断してしまう危険性があります。
検索エンジンの結果や口コミサイトに、ネガティブな情報がいつまでも残っていると、企業の信頼は次第に損なわれます。
企業のネガティブなイメージが定着すると、取引先が不安を感じて契約を解消したり、顧客が不買運動を行ったりする可能性が高まります。

企業としては誹謗中傷を見過ごさず、早期に対策を行い、誤った情報に反論できる体制を整えることが重要です。
社内の人間関係がこじれる
元従業員が在職していた時の不満をSNSなどで公開することで、現職社員の間に不信感が広がることがあります。
例えば「○○部長にいじめられた」や「○○さんは不倫していた」のようなプライバシーに関わる投稿があると、実際に現場で働いている社員は疑心暗鬼に陥り、人間関係がこじれてしまう危険性があります。
また、元従業員と親しかった社員が投稿に共感し、会社への忠誠心を失うこともあります。
こうした内部崩壊につながる空気は、生産性や職場環境の悪化につながり、離職者の増加にもつながるため注意が必要です。

企業は、誹謗中傷が外部への影響だけでなく、内部にも深く根を張る問題であることを認識する必要があります。
イメージダウンで人材採用が難しくなる
ネット上の誹謗中傷は、採用活動にも深刻な影響を及ぼします。
求職者の多くが、応募前に企業の口コミや評判をネットで調べるのは、今やあたり前の時代です。
その際にネガティブな投稿が目立つと、「この会社はやめた方がよさそう」と判断されやすくなります。
社名検索で表示されると応募をためらうキーワード例 | |
ブラック企業 | 不祥事 |
残業 | 詐欺 |
やばい | パワハラ |
炎上 |
特に「ブラック企業」のようなネガティブなキーワードがサジェスト(検索候補)に表示されると、応募のハードルは格段に上がります。
わざわざ「ブラック企業」という噂が立っている会社に、自ら飛び込もうとする人はそういません。
これは企業にとって、人手不足の慢性化を引き起こし、採用コストの増加につながる危険性があります。
また、ようやく採用できた人材が、入社後に過去の口コミを目にして不安を抱き、早期離職してしまうリスクも考えられます。

企業の採用活動において、ネット上の評判は無視できない要素となっています。
元従業員による会社への嫌がらせ事例

元従業員による嫌がらせは、単なるネット上での誹謗中傷にとどまらず、実害を伴う深刻なケースに発展することがあります。
その手口は、巧妙で悪質性が高いことも多く、予防していても回避することには限界があります。
ここでは、実際に報道された2つの事例を紹介し、企業としてどのようなリスクがあるのか解説していきます。
事例を見れば、いかに従業員と円満退社してもらうことが重要であるかが分かるかと思います。
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以下、ご紹介する事例に関して、
当社は、関係性もとい、ご紹介している事例におけるいかなる関与もしておりません。以下の内容について一切の責任を負いません。内容に関するご質問やご対応はできかねますので、あらかじめご了承ください。
元従業員の嫌がらせ事例①機密情報の持ち出し
2021年、ソフトバンク株式会社の元従業員が社内の営業秘密を、不正に持ち出したとして不正競争防止法違反で逮捕されました。
この元従業員は、退職前に社内サーバーから約170点の情報ファイルを持ち出していたことが発覚しました。
さらに、この元従業員は競合他社でもある楽天モバイルに転職しており、これらの情報を不正利用している可能性も考えられ、ソフトバンクは提訴することとなりました。
裁判の結果は有罪で、懲役2年、執行猶予4年、罰金100万円の判決が出ています。
この事例では、元従業員と秘密保持契約の締結を結んでいたにもかかわらず、このような事件が起こりました。
そのためソフトバンクは、再発防止に向けたさらなるセキュリティ管理の徹底が求められることとなりました。
参照:ソフトバンク

情報漏洩は、顧客や取引先からの信用を失う行為のため、注意しなければいけません。
元従業員の嫌がらせ事例②退職直前のファイル削除
大手LEDメーカーの日亜化学工業の元従業員が、退職前にわざと職場のパソコンのファイルを削除し、営業妨害をしたとされる事件がありました。
捜査によると元従業員は、実験結果の記録やマニュアルなどを削除した疑いがあり、日亜化学工業は裁判で損害賠償を求めることとなりました。
結果は「232個のフォルダー内のファイルを故意に削除したと認められ会社の利益を侵害した」として、元従業員に約577万円の損害賠償請求が命じられました。
この事例は、退職直前に行われた犯行で計画性が高く、企業としては退職が決定した者の行動監視も必要なケースがあることが分かります。
参照:NHK

もし企業が経営に関して、その情報に依存していた場合、ファイル削除は会社にとって大きな損害となる場合があります。
バックアップや情報管理体制も含めて見直す必要があります。
ネットに掲載されている退職者・元従業員の悪い口コミの例

退職者や元従業員による口コミは、企業の内情や雰囲気を知る手がかりとなる一方で、悪意ある投稿が企業イメージに悪影響を与えることもあります。
ここでは、実際にネット上に掲載されているネガティブな口コミの例を紹介します。
キャリコネの場合

これは中途採用の出世事情や給与面への不満を示した口コミです。
新卒と中途の待遇差は少ないものの、給与体系や生活水準に関する厳しさが浮き彫りになっています。

給与や待遇への不満が口コミとして拡散されると、採用活動や企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
企業は退職・在職に関わらず、社員との誠実な対話と制度改善に努め、ネガティブな声が表面化しにくい環境を整えることが重要です。
転職会議の場合

この口コミは、実際の職場環境や業界構造に対する課題意識を冷静に綴った退職理由の説明であり、対人関係の良さを評価しつつも、年収や成長機会への不満が明確に述べられています。
誹謗中傷ではなく、率直な改善提案を含んだ意見として受け止めるべき内容です。

口コミには、企業の強みと課題が併記されることが多く、こうした声を改善の糸口とする姿勢が信頼を築きます。
退職者の発信が誤解や炎上に発展しないよう、企業は丁寧なヒアリングと対話の場づくりを徹底すべきです。
エンゲージ 会社の評判の場合

この口コミは、勤務環境の客観的な情報と、成長機会の少なさに対する個人的な不満が織り交ぜられた投稿です。
誹謗中傷ではなく、現場のリアルな声として企業が改善に活かせる内容といえます。

キャリア形成に対する不満が蓄積すると、退職後に否定的な口コミが拡散されやすくなります。
社員のモチベーションや将来設計に寄り添った制度設計や定期的な面談が、ネガティブな発信の予防につながります。
退職者・元従業員の誹謗中傷・悪口への対策

退職者や元従業員からの誹謗中傷・悪口は、企業の評判や信用に長期的な悪影響を及ぼす恐れがあります。
ネット上の投稿は検索結果に残り続け、時間が解決することはなく、常にネガティブな情報をばらまき続けます。
そのため放置せずに、早期に具体的な対策を講じることが重要です。
ここでは、企業が実践できる3つの基本的な対策について解説します。
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問題のある投稿を削除する
まずは、その問題のある誹謗中傷や悪口を削除する手段があります。
一言に「削除」といっても、以下のようなさまざまなパターンが考えられます。
検索結果や検索候補(サジェスト)に表示されるネガティブな情報は、企業に悪印象を与えます。
Googleには「名誉毀損」「プライバシー侵害」などを理由に削除を申請できるフォームが用意されています。
検索結果から無くなるだけでも、被害の拡大をある程度抑えることが可能です。
転職サイトやSNSに投稿された誹謗中傷は、各サービスの通報機能や削除依頼フォームを通じて申請が可能です。
申請には問題のある投稿のURLやスクリーンショット、内容のどこが違反にあたるかの説明が必要になります。
運営側の審査によって一定の基準を満たせば削除されます。
投稿内容が悪質で企業の信用や利益に深刻な損害を与えている場合は、弁護士に依頼して「発信者情報開示請求」で投稿者を特定し、「削除仮処分の申立て」で法的な手段に踏み切ることも検討する必要があります。
特に虚偽や名誉毀損に該当する場合は、損害賠償請求を含めた本格的な対応が可能です。
企業の毅然とした対応を示す意味でも、有効な選択肢となります。
ちなみに削除申請は、必ず削除できるとは限りません。
各プラットフォームの利用規約に違反していると、運営が判断しなかった場合は削除されないので、そのような場合に、弁護士を通じた法的な措置が必要になります。
またこれらは、1つの投稿や1人の投稿者に対して効果的な対策であることも認識しておかなければいけません。

多数の誹謗中傷に悩んでいるのであれば、風評被害対策でネット全体のイメージを変えていく手段も検討する必要があるでしょう。
風評被害対策でネット上の信用回復
ネット上での誹謗中傷や悪口が削除されたとしても、一度落ちた企業イメージを回復するのは簡単ではありません。
そこで重要になるのが、「逆SEO対策」と「サジェスト汚染対策」の2つです。
これらは、どちらもネガティブ情報の露出を抑える対策で、ネット上の風評被害対策として有効な手段として知られています。
それぞれの対策方法を分かりやすくまとめました。
逆SEO対策 | サジェスト汚染対策 | |
---|---|---|
目的 | 検索結果上位のネガティブなサイトの順位を下げる | 検索候補(サジェスト)に表示されるネガティブなキーワードを別のワードに置き換える |
主な施策 | ・公式サイトや自社コンテンツを上位表示させて検索結果を塗り替える ・外部メディアからのポジティブな情報を増やす | ・ネガティブなサジェストを調査し、実態把握 ・ユーザーの検索行動を誘導するポジティブなワードを使った情報発信 |
これらの施策で、ネガティブ情報を「目に入らなくする」ことで、風評被害の拡散を最低限に抑え、信頼回復に向けての基盤づくりが可能になります。

検索エンジンは、不特定多数の人が利用する影響力の高いプラットフォームのため、「目に入らなくなる」人もそれだけ多くなり、一定の効果が期待できます。
問題のある投稿に返信する
口コミサイトによっては、企業が投稿に対して返信コメントを付けられる機能があります。
この機能を適切に活用することで、一方的に非難されている印象を和らげ、企業の立場や考え方を丁寧に説明することができます。
ただし、感情的な反論や自己弁護に終始すると、かえって悪印象を与える可能性があるため注意が必要です。
以下に口コミ返信の注意点をまとめました。
- まずは口コミという意見をもらったお礼から始める
- 良い口コミ悪い口コミを区別せずに両方に返信する
- 非難に対する再発防止策や、現状改善された点を書く
あくまで冷静かつ誠実なトーンで、「いただいたご意見を真摯に受け止め、改善に努めております」のように対応するのが望ましいでしょう。

誠意ある口コミ返信は、返信先の本人だけでなく第三者に対しても「この会社は批判に対しても真摯に向き合っている」という印象を与え、信頼回復につながります。
退職者・元従業員の誹謗中傷は訴えられる?

退職したら会社とは無関係と考える人も多いかもしれませんが、元従業員による誹謗中傷や悪意ある投稿が法的責任を問われるケースは少なくありません。
実名を出していなくても、企業や関係者を特定できる形で中傷する行為は、名誉毀損や業務妨害として訴訟の対象となることがあります。
逆に会社側に問題があれば、パワハラなどで訴えられるケースもあります。
ここでは、誹謗中傷に関わる法的リスクについて解説します。
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会社への誹謗中傷から訴えられる罪
元従業員が会社に対して行う誹謗中傷は、内容によっては刑事罰の対象となることがあります。
ネット上での投稿であっても、名誉を傷つけたり業務を妨害したと判断されれば、刑法に基づく処罰を受ける可能性があります。
以下に、誹謗中傷行為に適用される代表的な罪名とその適用条件をまとめました。
罪名 | 罪が適応される条件 |
---|---|
名誉棄損罪 (刑法230条) | 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した |
侮辱罪 (刑法第231条) | 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した |
脅迫罪 (刑法第222条) | 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した |
信用毀損罪偽計業務妨害罪 (刑法第233条) | 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した |
威力業務妨害罪 (刑法第234条) | 威力を用いて人の業務を妨害した |
このように、SNSや口コミサイトでの軽率な発言であっても、場合によっては法的責任を問われる深刻な問題に発展します。

退職者は、たとえ感情を伴った軽はずみな投稿でも、十分な注意が求められます。
退職者・元従業員の誹謗中傷・悪口はバレる
匿名で書いたからバレないと思っている人も多いかもしれませんが、実際には投稿者を特定する手段はあり、簡単にバレます。
企業が弁護士を通じて「発信者情報開示請求」を行えば、裁判所の判断により、投稿者のIPアドレスやアクセスログの開示が命じられることがあります。
そこから契約しているプロバイダを特定し、個人の氏名・住所を特定することができます。
特に悪質な投稿の場合、企業側が本気で調査に乗り出すケースも多く、バレた時には損害賠償請求や謝罪を求められるリスクがあります。
このように、バレないからと何を言っても許される時代は終わりました。

たとえ元の会社に恨みがあったとしても、SNSや掲示板は完全な匿名性はないと認識し、感情的な投稿をしないよう自制することが大切です。
逆に会社がパワハラなどで訴えられることもある
誹謗中傷が違法行為になる一方で、企業側にも問題があった場合に、逆に退職者から訴えられる可能性もあります。
例えば、上司によるパワハラや長時間労働、不当な待遇や差別があったにもかかわらず、適切な対応をしなかった場合に、退職後に元従業員が、損害賠償を求めて訴えるケースが考えられます。
このような場合、元従業員がネット上で声を上げることが、内部告発として社会的にも認められる可能性があり、企業としてはネット炎上のリスクにつながります。

企業としては、何か問題が生じて記録を振り返った時に、落ち度がないように健全な経営に努めることが重要です。
退職者・元従業員からの誹謗中傷や嫌がらせを未然に防ぐ方法

元従業員による嫌がらせは、時に企業にとって深刻な問題となるため対策が必須です。
ただ、問題が表面化してから対応するよりも、その問題を未然に防ぐことが出来れば、それに越したことはありません。
リスクの芽を事前に取り除いてさえいれば、嫌がらせや風評被害につながる可能性も低いため、未然防止策こそ、真剣に取り組む対策とも言えます。
ここでは、企業が取り組むべき未然防止策を2つ紹介します。
社内問題の改善と円満退社を心掛ける
誹謗中傷や嫌がらせの多くは、元従業員が在職中に感じた不満や恨みから生まれます。
つまり企業としては、社員の声に耳を傾け、職場で不平不満や人間関係のいざこざが生まれないよう、快適な職場環境を整備することが求められます。
定期的に、各社員と会社が1対1で本音を言い合える時間を設けることも一つの方法です。
会社として風通しの良さと透明性を高めて、社内の問題に向き合っていることが従業員に伝われば、嫌がらせするような人も減っていきます。
また退職者には、事務的な対応だけでなく今まで働いてもらった感謝を伝えて、円満退社となるように送り出すことも重要になります。

会社は利益を追求する組織ですが、人同士の繋がりで成り立っていることをもう一度考え直す必要があります。
退職までに秘密保持契約の誓約書を書いてもらう
退職者による機密情報の漏洩や、内部事情の暴露を防ぐには、秘密保持契約(NDA)の締結が一つの有効な手段となります。
全社員、入社時に誓約書を書いてもらうようにするのがベストですが、退職時にも改めて誓約書を取り交わすことで、一定の抑止力になります。
誓約書には、会社の情報を外部に漏らさないことなどを明記し、署名・押印をしてもらい、法的な拘束力を持たせておきましょう。
これは何かあったときに、損害賠償請求の根拠として使える可能性があるためです。
ただ、この記事の事例でも紹介したように、秘密保持契約を結んでもそれを破る人はいます。

根本的な解決を目指すのであれば、恨まれるような会社にしないことが必要不可欠と言えます。
まとめ:退職者による誹謗中傷・嫌がらせにどう向き合うべきか
退職者や元従業員からの誹謗中傷や嫌がらせ行為は、企業にとって見過ごせない深刻なリスクです。
一個人でもネット上の発言の拡散力は強く、ネガティブな情報は企業の信用を損ない、採用活動や取引先にも悪影響を及ぼします。
このようなリスクを避けるためには、まず問題が起こってから対処するのではなく、日頃から会社が従業員との関係性を良好に保つことが重要です。
また、リスクを最小限に抑えるには、風評被害対策や問題投稿の削除という手段を講じることも有効になります。
企業と退職者の関係は、退職後も続いていくものとして捉えて、互いが誠意をもって向き合うことが大切になります。
#退職者 誹謗中傷
アクシアカンパニーの
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