従業員(社員)の不祥事は、企業活動を長く続ける中で避けられないリスクの一つです。
不祥事の内容によっては、企業のブランドイメージを損ねて、顧客や取引先との関係が悪化する可能性があります。
また、従業員(社員)の不祥事に対して、企業も責任を追わなければいけないケースもあるため注意が必要です。
企業は、従業員(社員)の不祥事の対応を間違うと、社会から反感を買い、事態が悪化するため適切な対応が求められます。
この記事では、不祥事の事例を交えながら、いざという時に適切な対応を行うためのトラブル対応マニュアル7箇条を解説します。
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コンテンツ目次
従業員(社員)の不祥事ってどんなこと?

企業にとって働く従業員(社員)の不祥事は、顧客との信頼を損ねたり、ブランドイメージを傷つけたりする原因になります。
一言に不祥事といってもその種類は様々です。
会社の中で起こることもあれば、社外で起こることもあります。
ここでは従業員(社員)の不祥事を、具体的な例をあげて紹介します。
業務上の不正
業務上の不正は、企業にとっては特に印象を悪くする不祥事の一つです。
なぜなら、業務上で不正が起こるということは、企業の内部統制が取れていないことを証明しているようなものだからです。
業務上の不正には、以下のようなものがあります。
機密情報の漏洩
横領(社内の備品や金銭を盗む)
不良品の隠蔽
会社資産の私的利用(プライベートでソフトウェアを使用したり、社用車に乗ったりなど)
虚偽の報告(予算を偽ったり、売上げを改ざんしたりなど)
これらの中には社内だけのトラブルではおさまらず、顧客に直接迷惑をかけるような不祥事もあります。
再発防止のためにも、内部監査と従業員教育を徹底し、透明性を確保することが大切です。
交通違反
従業員(社員)の交通違反も不祥事として問題視される場合があります。
交通違反に関しては、社用車であれプライベートの自家用車であれ、事故が起これば不祥事になってしまう特徴があります。
つまり業務外で起こったことでも、その事故の程度によっては大きな問題に発展するケースがあるということです。
信号無視やスピード違反のような横着な運転で警察に捕まった程度なら、そこまで事は大きくならないかもしれません。
しかし、飲酒運転で歩行者をはねるような、誰かを傷つける重大事故を起こしてしまうと、例えそれが一従業員(社員)の行為であっても、企業の信用を大きく損ねる可能性があります。
SNSでの不適切な発言
従業員(社員)によるSNSの発言が、時に問題になるケースがあります。
SNS上では、以下の2つの不祥事に気を付ける必要があります。
企業公式アカウントの不適切発言
従業員(社員)の個人アカウントによる不適切発言
近年ではSNS上で公式アカウントを運用して、広報活動を行う企業も少なくありません。
このような公式アカウントは、ユーザーとの距離が近く直接やり取りを行える手軽さがあります。
その手軽さにあやかって、ついつい調子に乗って言わなくてもいいことを発信してしまうことがあります。
SNSアカウントの炎上で、特に見かけるのが差別発言です。
一見、普通の文章のように思えても、捉えようによっては誰かを傷つける発言になる場合があるので、SNSの投稿には十分配慮しなければいけません。
また、従業員(社員)の個人アカウントの発言も問題になることがあります。
機密情報を漏洩するような発言であったり、「○○株式会社の社員」という肩書を使って不適切な投稿を行ったりと、様々なケースが考えられます。
従業員(社員)にはネットリテラシー教育を徹底し、コンプライアンスの遵守に努める必要があります。
社内でのハラスメント
従業員(社員)の間で起こったセクハラやパワハラを放置していると、大きな不祥事に発展することがあります。
例えば、上司にパワハラを受けてうつ病になった社員が退職したとします。
これに対しその社員が会社に訴訟を起こした場合、その噂は瞬く間に広がり、顧客との信頼関係を損ねる可能性があります。
ハラスメントは企業の信頼を損ねるだけでなく、従業員のモチベーションを下げて職場環境を悪化させる問題です。
放置せずに早めに対処を行うことが大切です。
プライベートでのトラブル
従業員(社員)のプライベート上のトラブルは、企業にとってのトラブルになる場合があります。
例えば、万引きや暴力行為、薬物使用といった法律に違反する行為は、ニュースに取り上げられる可能性もあり注目を浴びます。
そこで「○○株式会社の社員がやった」と噂が広がれば、企業にとって大きな風評被害に繋がるため気を付けなければいけません。
例えば、女性をターゲットに商品やサービスを提供している業種で、男性従業員(社員)による不倫が発覚したりすると、大きな不買運動に発展する可能性があります。
これは売上げにも直結する問題です。
従業員(社員)の不祥事が、会社の売上げまでも左右させる影響力があることを認識しておく必要があります。
辞めた従業員の嫌がらせ
これは特殊な例ですが、辞めた従業員(社員)が会社に嫌がらせをしてくるケースがあります。
例えば、インターネット上の匿名掲示板で、在籍時に知った会社の機密情報を漏らしたり、誹謗中傷の書き込みをしたりする行為が考えられます。
辞めた従業員(社員)が会社に恨みを持っている場合は、このような問題が起こることも想定しなければいけません。
ただ辞めた従業員(社員)に対して、そのような問題行為を起こさせないように対策することは難しいです。
重要なのは退職する時です。
ケンカ別れのような退職にならないよう、企業はなるべく円満な退職に導くために、従業員(社員)への配慮が大切になります。
従業員(社員)の不祥事は会社の責任なのか?

従業員(社員)の不祥事は、会社の責任になるのか。
これは会社を経営する人なら誰もが一度は考えることです。
結論からいうと、従業員(社員)の不祥事が会社の責任になる場合もあります。
ここでは法律に触れながら、どのような不祥事が会社の責任になるのかを解説します。
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「使用者責任」により会社の責任になる場合がある
「使用者責任」という法律によって、従業員(社員)の不祥事が会社の責任になる場合があります。
「使用者責任」とは、以下のような法律です。
(使用者等の責任) 第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
使用者責任とは簡単に言うと、会社の従業員(社員)が第三者に損害を与えた時に、会社もその従業員と連帯で被害者に損害賠償を負う制度です。
このように法律で、会社が責任を負う場合があることが定められています。

従業員(社員)がやったことだからウチは関係ない!とは言えません。
従業員(社員)の不祥事が会社の責任になるケース
従業員(社員)がおこなった不祥事に対して、会社がすべての責任を取る必要はありません。
どのようなケースだと会社が責任を取る必要があるのか、それは会社の事業の中で起こったかどうかがポイントになります。
以下に、その具体例をまとめました。
会社の責任になるケース | 会社の責任にならないケース |
社用車での交通事故社内のパワハラによるうつ病や退職労働災害によるケガ業務上の情報漏洩による被害 | プライベート中の自家用車での交通事故プライベート中の暴力行為、痴漢などSNSでの個人の不適切発言業務上の指示を無視した不適切行動 |
不祥事が、事業のために他人を使用するもの(会社)と、その使用者(従業員)の関係の元にあったかどうかが焦点になります。
つまりプライベート中であったり、業務外で行った不祥事に関して、会社が責任を取る必要はありません。
ただし注意しなければいけないのが、会社の責任にならなかったとしても、会社が信用を損ねてしまうことは避けられないということです。
いずれにせよ、会社はブランドイメージを傷つけることになるため、信用回復と風評被害対策が必要になります。
派遣社員の不祥事の責任はどうなる?
派遣社員が不祥事を起こした場合は、派遣元の会社と、派遣先の会社とその派遣社員本人とで責任の所在が少しややこしくなります。
これは不祥事の内容によっても様々ありますが、大きく分けると以下のように分類できます。
不祥事の種類 | 責任の所在 |
業務を逸脱した行為 | 派遣社員(本人) |
業務上のミス | 派遣先企業 |
派遣元企業の教育不足で起こったミス | 派遣元企業 |
実際の不祥事はもっと原因が複雑化しているため、責任をこのように単純に断定することが難しいかもしれません。
派遣社員に働いてもらっている会社は、このような責任になる可能性があることを把握しておきましょう。
従業員(社員)の不祥事の事例

従業員(社員)の不祥事は、時にニュースに取り上げられるほどの大きな影響力を持つ時があります。
一度、不祥事が明るみになってメディアに取り上げられると、その会社への風評被害のダメージは計り知れません。
ここでは、実際にニュースになった従業員(社員)の不祥事の事例を紹介します。
以下、ご紹介する事例に関して、
当社は、関係性もとい、ご紹介している事例におけるいかなる関与もしておりません。以下の内容について一切の責任を負いません。内容に関するご質問やご対応はできかねますので、あらかじめご了承ください。
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JR北海道の保線社員による飲酒運転
2021年、JR北海道の保線社員が、函館市内の飲食店で飲酒後に、自家用車で運転しているのを警察に検挙される事件がありました。
これは、鉄道会社という人の命を運ぶ仕事において、大きく信頼を損ねる不祥事です。
飲酒運転というだけでもその信頼崩壊は大きいのですが、飲酒運転という鉄道と同じ交通に関わる不祥事のため、大きな風評被害になったことが予想できます。
JR北海道は、この件に関して謝罪文を公表しています。
謝罪文には、当該社員への厳正な処分と再発防止に向けた教育を行うことが記載されていました。

このように従業員(社員)の不祥事が起こった時は、処分と再発防止の声明を発表することが大切です。
引用:函館保線所 社員
ホンダの元社員によるクレジットカードの不正利用の事例
2024年、自動車会社の大手のホンダの社員が、法人契約していたクレジットカードを私的利用したとして、背任容疑で逮捕されました。
2019年4月~2022年12月の間に、会社のクレジットカードを約3262回私的に利用し、ホンダに約4300万円の損害を与えました。
当該社員は、クレジットを動画配信者への投げ銭、飲食代、船舶免許の取得費用などに使ったと供述しています。
また、もともとクレジットカードの管理を担当しており、私的利用のお金を「コロナ対策費用」などと虚偽報告していたことが判明しました。
ホンダはこの社員に対して懲戒解雇の処分を下しており、2024年には懲役2年6月の実刑判決が出ています。
この事例では、ホンダが大きな損害を被っていますが、それとは別に社内の統制力の欠如も浮き彫りになっています。

これは顧客との信頼関係を揺るがす重大な不祥事です。
野村証券の元社員による詐欺の事例
2025年、野村証券の社員が、顧客から架空の積み立て金制度への投資という名目で、1000万円を騙し取った疑いで逮捕されました。
野村証券ブランドを利用して、現金をだまし取ろうと考えて実行したことが明らかになりました。
該当社員は、ギャンブルで数千万円の借金があり、その返済のために犯行に及んだものと見られています。
また事件の発覚を恐れて、すでに自己都合で退職していましたが、その後だまされていた顧客を引継ぎした社員によって、事件が発覚しています。
野村証券はこの件に関して、HPでお詫びと警察の捜査に全面協力する旨を発表しました。
証券会社は、そもそも信用を取引することが前提で成り立つ仕事です。
このような事例は、その根底を揺るがす重大な不祥事と言えるでしょう。

社員教育と再発防止策、そして早急な信頼回復に努める必要があります。
引用:東京新聞
関西電力の社員が顧客情報に不正アクセスした事例
2023年、関西電力が子会社の関西送配電の託送業務システムを通じて、競合の新電力の顧客情報を不正に閲覧したことが問題になりました。
子会社によると、関電の従業員がシステムの全情報にアクセスする権限を上司が付与できる状態だったことが判明しています。
アクセス権限を付与された5人は、新電力の顧客情報を閲覧できることも、閲覧しているという認識もなかったと説明しています。
また、アクセス権限を付与した3人は、閲覧権限を付与した認識はなく、付与できるものは問題ないと認識していたと説明しています。
これに対し関電子会社の社長は、記者会見で報酬の50%を3カ月返納することを表明しています。
またコンプライアンス推進本部と、行為規制アドバイザリーボードを新設することも発表しました。
この事例では、システムの仕様を把握していなかったことが問題として考えられます。
大切な顧客情報を粗末に扱っていることは、顧客との信頼関係を大きく裏切る行為になったことは間違いありません。
また今回の件で唯一良かった点は、関西電力自らが不正に気付いて、子会社と事実確認を行い発表したことです。

このような不祥事では、いかに透明性を確保するかが信頼回復において重要になります。
引用:産経新聞
従業員(社員)の不祥事が企業に与える風評被害

従業員(社員)の不祥事は、企業のブランドや顧客との信頼関係を大きく損ねるリスクがあります。
不祥事の内容によっては、社会的な責任追及も強く求められることになるので、企業として適切な対応が求められることになります。
ここでは、具体的な風評被害について解説します。
ブランドイメージの失墜
従業員(社員)の不祥事が発覚することで、企業のブランドイメージは大きく失墜します。
特にテレビなどの大手メディアに取り上げられると、その影響力は計り知れません。
また近年では、インターネットやSNSを通じての情報の拡散力が増しています。
一つの不祥事から一夜にして、社会の悪のように企業が取り扱われてしまうことも考えられます。
不祥事が起こった際は、早急なトラブルの解決とともに、信頼回復も同時に行う必要があります。
顧客や取引先との関係悪化
従業員(社員)の不祥事は、顧客や取引先との関係にも悪影響を及ぼします。
例えば、食品工場で従業員(社員)の私物が食品に混入した場合、消費者がその食品を買わなくなってしまいます。
このような不買運動は、売り上げの減少につながります。
もしこの工場で、飲食店で使う食材を加工していたとしたら、契約していた飲食店はその食材の仕入れをキャンセルするかもしれません。
このように消費者だけでなく、取引先との契約まで打ち切られてしまうと、経営そのものに大きなダメージを与えてしまいます。
社会の過度な責任追及への対応
日本は、不祥事に対する責任追及が厳しい国です。
特に薬物、死亡事故、強制わいせつ、反社会勢力と関係を持つといった、倫理観を揺るがすような不祥事に対しては、容赦がないと言ってもいいでしょう。
トラブルそのものが終息したとしても、世間の目は許してくれません。
なにか世間が納得がいくような償いをしない限りは、永遠に悪者として社会で扱われることになります。
このような社会的な悪者のレッテルを振り払うことは非常に難しく、長期にわたる信頼回復活動と責任追及の対応に追われることになるでしょう。
これらの対応にかかる時間のコストや、精神への疲弊は企業にとって大きなダメージとなります。
従業員(社員)間のモチベーションの低下
従業員(社員)の不祥事は、社内の他の従業員のモチベーションを低下させてしまいます。
例えば、社内でパワハラやセクハラが起これば、その当事者同士だけでなく、同じ部署で働く人間もいい気はしないでしょう。
社内ではいろんな噂やデマが囁かれるようになり、最悪の場合、派閥の様なものができてしまって社内分裂してしまいます。
社内分裂が起これば、コミュニケーションも減り、やがて企業としての生産能力が落ち込みます。
そのまま放置すると、居心地の悪さに退職する社員も出てくるかもしれません。
そうなってしまうと人材不足という二次被害も引き起こすことになってしまいます。

従業員(社員)の不祥事は、問題が大きくならないうちに対処しなければいけません。
従業員(社員)の不祥事のトラブル対応マニュアル7箇条

従業員(社員)の不祥事は、企業にとっては出来れば避けたいものです。
そのため多くの企業の中には、実際にトラブルが起こった時の対応を想定していない会社もあるかもしれません。
不祥事のトラブル対応は、判断を見誤ると余計に問題を大きくしてしまう恐れがあります。

ここでは、いざという時に役立つ従業員(社員)の不祥事のトラブル対応マニュアル7箇条を解説します。
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1:事実確認を行う
従業員(社員)による不祥事が発覚したら、まずは事実確認を行いましょう。
いつどこで誰が何をしたのか、そして誰に迷惑や被害を与えたのか、いまもトラブルは続いているのかと言ったことを調べ上げます。
また、事実確認を行う上で注意することが2点あります。
それはプライバシーに配慮することと、関係者以外の人間が事実確認を行うことです。
内部調査に全力を注ぐあまり、プライバシーの権利を侵害することはいけません。
そして、不祥事の透明性を確保するためにも、そのトラブルとは関係のない人間が事実確認を行うことも大切です。
2:関係部署へ報告する
事実確認が取れたら、それを関係部署に報告します。
おそらくこの手のトラブル連絡網は、企業であらかじめ作成されている会社もあると思います。
不祥事の内容によっては、広報や法務部といった部署に事前に報告を行っておくと、その後の対応もスムーズに進めることができるでしょう。
もし、トラブル時の連絡網がないようであれば、万が一の時に備えて作成する必要があります。
不祥事が起こると、人は気が動転して正確な判断ができません。
あらかじめ報告体制のフローチャートがあれば、正確に会社全体に情報を共有し合うことができます。
3:被害者への謝罪やお詫び
関係部署へ報告が完了したら、被害者へ謝罪やお詫びを忘れずに行いましょう。
つい自分たちのトラブル対応に気を取られがちですが、被害者を傷つけたり損害を与えたりしたことに対して謝罪することも大切です。
被害者は謝罪の対応が遅れることで、被害者意識をより強く持つようになります。
謝罪の際に、その場ですぐに補償やサポートができるのであれば行いましょう。
ただこの対応が不足と捉えられてしまうと逆効果になります。
謝罪だけを先に行って、後日なんらかの損害賠償を行った方がいいケースもあります。
4:社外や顧客へ謝罪文の公表
被害者への謝罪が終わると、次は社外や顧客へ不祥事を公表します。
公表するには、まず不祥事に対しての謝罪文を作成しましょう。
謝罪文には、当該社員への処分内容や再発防止策を盛り込んだ方がいいですが、トラブル発覚から時間が浅いと具体的なことが決まっていない場合もあります。
その場合は、
「社内規定に則って厳正に処分を下します。再発防止策についても早急に策定します。これらは後日決まり次第発表致します」
として、とりあえず第一報として報告を行います。
大手企業にもなれば記者会見を行ったりもしますが、一般的な企業であればまず謝罪文を作り、それを自社のHPなどを通して公に発表するのが一般的です。
また、よくお世話になっている取引先には、公表とは別に直接連絡を行って謝罪します。
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5:従業員(社員)への処分
社外への公表が終わると、次は当該従業員への処分を下します。
処分の内容については、就業規則に則って厳正に取り決めなければいけません。
会社に対して著しく損害を与えた場合は、懲戒解雇の処分を下す場合もあります。
また、民事・刑事責任を負う可能性もあるため、警察との対応も含めて慎重に決めていきましょう。
6:再発防止策の策定
従業員への処分の後は、再発防止策を策定します。
二度と同じ過ちを繰り返さないことが、従業員(社員)と企業に求められる課題です。
再発防止策には、社内の幅広い意見を拾うことが大切です。
例えば、上層部だけで取り決めても「この程度で再発防止になるのか?」といった現場の声が出てくる可能性もあります。
全社員、誰が聞いても納得できるような再発防止策でなければ、社外に発表した場合でも世間の納得は得られないでしょう。
7:信頼回復と風評被害抑止
この段階まで来ると、ようやくトラブルも終息していきます。
ただトラブルが終息したとしても、風評被害は終息しません。
ここからは、企業の信頼回復と風評被害の抑止に努めていきましょう。
信頼回復には、例えばCSR活動によって、企業の正しい姿勢を常に社会へ示していくというものがあります。
CSRとは企業の社会的責任のことです。
環境に配慮した活動を行って、顧客や株主、地域社会に向けて責任のある行動や説明を行い、信頼回復に努めます。
そして風評被害の抑止には、ネット風評被害の対策が必要です。
なぜなら噂や悪評の多くはインターネットやSNSを通じて広まっていくからです。
事例で分かる不祥事の謝罪文に必要な内容

従業員(社員)の不祥事が起こると、企業には早急な説明責任が求められます。
ただトラブル対応にあたふたして、謝罪文に必要な文言を入れそびれる可能性もあります。
出来の悪い謝罪文は、企業の印象をさらに悪化させるため注意しなければいけません。
事例の項目でも取り上げた、JR北海道の謝罪文が参考になるので、こちらから必要な項目だけを抜き出してみます。
- 発生日時
- 発生場所
- 関係者
- 概況
- 対策・処分
必要なことがまとまっていて、とても分かりやすいと思います。
まずは、いつどこで誰が何をしたのかを明確にします。
その上で、処分の内容や対策を発表します。

こう見るとあたり前の内容にも思えますが、これらのどれが欠けても謝罪文としては物足りないものになるので、必ずすべての要素を取り入れるようにしましょう。
不祥事を起こした従業員(社員)のその後の対応

不祥事を起こした従業員(社員)の、その後の対応についても適切な判断が必要になります。
適切な処分を行うことは社会の責任追及への理解を得ることができ、また信頼回復にもつながります。
ここでは、処分の内容とその後の民事刑事責任について解説します。
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就業規則に則った処分を下す
不祥事を起こした従業員(社員)にたいしては、就業規則に則った厳正な処分を下すことが基本です。
処分の内容には以下のようなものがあります。
処分が軽すぎると、顧客や社会からの理解が得られなくなりますが、重すぎても逆に反感を買う場合があります。
そのため処分の重さについては、就業規則に加えて労働基準法や関連法令も交えた総合的な判断が必要です。
民事・刑事対応や損害賠償請求
不祥事の内容によっては民事・刑事責任を問われる場合があります。
また「使用者責任」という法律により、第三者に損害を与えた場合に、その従業員(社員)だけでなく会社も損害賠償責任を負わなければならないケースがあります。
他にも、会社がその従業員(社員)に対して損害賠償を請求したりするケースもあり、これは事件の内容によって様々です。
警察や司法機関を通じて、法の手続きを進めることは、被害者に対して責任を取ることでもあります。
まずは責任を取る、そこから初めて信頼回復への一歩が始まるのです。
従業員(社員)の不祥事に風評被害対策が必要な理由

従業員(社員)が起こした不祥事には、風評被害が付きものです。
特に近年ではSNSのようなソーシャルメディアを通じて、風評被害が進むスピードも速くなっています。
ここでは風評被害の対策が必要な理由を解説します。
放置していても噂は収まらない
従業員(社員)の不祥事が明るみになって、報道機関やメディアに取り上げられると、その噂は瞬く間に多くの人に拡散されます。
このような状況を放置し続けると、噂が広まり続けて、徐々に情報が歪曲してデマが広まる可能性もあります。
風評被害は、時間が解決してくれるものではありません。
確かに、10年や20年といった長い年月をかけて忘れ去られていくことはあります。
ただその10年間、風評被害を受け続けられるだけの体力が企業にあるのでしょうか。
風評被害は1日でも早く対策を始めた方が建設的です。
検索時にネガティブなキーワードが出るようになる
GoogleやYahooの検索機能には、1つのワードを入力するとそれに関連したキーワード候補が出てくる機能があります。
これをサジェスト機能と呼びます。
この関連したキーワード候補は、ウェブ上で投稿が多かったり関心が高かったりする内容を元に決まります。
つまり従業員(社員)の不祥事の噂が広まり、SNSやニュース記事で多く取り扱われることで、企業名に関連したネガティブなキーワードが出てきてしまうのです。
例えば、以下のようなネガティブなキーワードがあります。
「企業名 パワハラ」
「企業名 セクハラ」
「企業名 隠蔽」
「企業名 混入」
「企業名 炎上」
「企業名 倒産」
「企業名 流出」
「企業名 痴漢」
「企業名 死亡事故」
このようなキーワードを目にした時に、検索者の脳内には強くイメージとして残ります。
仮に「企業名 倒産」と表示されたとして、実際は倒産もしていないし、倒産の危機にすらなっていなかったとします。
それでも、検索者には「やっぱりこの企業はもう終わりなんだな」と思われてしまうのです。
理不尽なことですが、これが風評被害の怖いところです。
風評被害対策では、このようなネガティブキーワードの表示を減らすことができます。
従業員(社員)の不祥事のまとめ
従業員(社員)の不祥事は、企業の信頼やブランドイメージに大きな影響を与える深刻な問題です。
不祥事が発覚したら、慌てずに以下の手順でトラブル対応を行いましょう。
事実確認
関係部署へ報告
被害者への謝罪
謝罪文の公表
従業員(社員)への処分
再発防止策の策定
信頼回復と風評被害抑止
このように、あらかじめマニュアルを作っておくと、いざというときに適切に対応することができます。
そして、トラブルが落ち着いたあとは風評被害対策が重要です。
放置しておくと噂がどんどん広まり、目に見えないところで風評被害は悪化していきます。
一人の従業員(社員)の不祥事が会社の危機にならないように、適切なトラブル対応と早急な風評被害対策で乗り越えていきましょう。
#従業員不祥事 #社員不祥事
不祥事を公表する謝罪文に必要な内容も、具体的に説明するので参考にしてください。