外国人の口コミは、インバウンド集客において強力な宣伝ツールの一つです。
SNS、口コミサイトに投稿された体験談は、文化の違う外国人にとって大きな参考材料になります。
近年では、団体ツアーよりも個人手配の旅行者が増えて、自ら旅先の情報を検索し、口コミを参考に飲食店や宿泊先を決める傾向が強くなっています。
特にGoogleマップや、トリップアドバイザーのような影響力の大きいプラットフォームの評価は、集客に直結します。
この記事では、このような外国人の口コミが集客にどのような影響を及ぼすのか、また外国人が実際に見ている口コミサイト、悪い口コミへの対応まで、インバウンドに必要な対策を分かりやすく解説します。
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コンテンツ目次
なぜ外国人の口コミ、インバウンド対策が必要なのか?

訪日外国人観光客は、年々増加傾向にあり、インバウンドの市場は急速に拡大しています。
また団体ツアーではなく、個人旅行者の数も増えており、外国人のお店選びにとって口コミは必要不可欠です。
ここではさまざまなデータを基に、インバウンド対策において、なぜ口コミが重要視されているかを解説します。
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訪日外国人は爆発的に増え続けている
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2024年の年間訪日外客数は 36,869,900人で、前年比では 47.1%増え、2019年比では15.6%増えています。
ちなみに2019年は、新型コロナウイルスが世界に蔓延する前で、当時過去最高の年間訪日外客数を記録しており、2024年はそれを上回っているのです。
これは日本が円安傾向が続いていることや、新興国の経済成長などによって、日本が旅行先の選択肢に選ばれやすくなったことが背景にあります。
また今までは東京、大阪、京都などの大きな観光都市に人が集中していましたが、インバウンド需要の多様化に伴って、地方の観光地にも積極的に足を運ぶ外国人が増えています。
地方は大都市に比べて、外国人が事前に収集できるお店の情報が少ないです。
このような情報不足で、お店選びに困っている外国人にとって、口コミは何よりも頼りになる情報です。

自分のお店のインバウンド需要の恩恵を最大限に引き出すためには、外国人の口コミは切り離すことのできない要素になっています。
ツアーではなく個人旅行者も多い
観光庁の2024年1-3 月期「訪日外国人の消費動向」の報告書によると、旅行手配の方法において、以下のようなデータが出ています。
団体ツアー参加 | 12.1% |
個人旅行パッケージ利用 | 3.9% |
個別手配 | 84.0% |
訪日外国人の84%が、個別手配による旅行をしていることが分かります。
個別手配というのは、個人で飛行機やホテルなどを予約して旅行することです。
一方で団体ツアーの旅行というのは、行き先やホテル、飲食店があらかじめ決められていることが多いです。
つまり、団体ツアーに参加する人は、各飲食店やホテルの口コミをあまり参考にすることはありません。
ただ個人旅行では、すべての計画を自分で決めるため、口コミを参考にしてお店やホテルを選ぶことが多くなります。

良い口コミが書かれていれば、この84%という大きな数字を持つ個人旅行者にアプローチすることにつながるのです。
日本人は厳しい!?外国人の口コミで再評価のチャンス
口コミの評価において、経営者にとっては、日本人の評価は厳しいと感じることが多いと思います。
これは、外国と日本の相対的な評価の差が影響していることが考えられます。
外国人にとっては、日本の接客やサービスが自国に比べて、丁寧で配慮が行き届いている印象を持ちやすい傾向があります。
一方で日本人は、このおもてなしの国の行き届いたサービスを生まれた時から享受しているため、外国人に比べてサービスのありがたみを感じにくい傾向にあります。
この差は、考えようによってはチャンスになります。
なぜなら、今まで多くの日本人のお客さんを相手にしてきて、あまり高評価の口コミを得られなかったお店でも、外国人に来てもらうことで、高評価の口コミが増える可能性があるからです。
そこで得た高評価が、口コミレビューサイトを見た日本人にも影響して、逆輸入するような形で再評価され、日本人のお客さんを取り戻すきっかけにもつながります。

外国人の口コミは、お店のビジネスチャンスのきっかけになる可能性を秘めているのです。
外国人の口コミが与えるポジティブな影響

外国人観光客の口コミは、ただの感想ではなく、店舗や観光地の集客力を支える重要な資産です。
Googleマップや検索結果での露出増加、異文化からの想定外の反響、口コミレビューサイトでの評価アップといった、多くのメリットがあります。
インバウンド対策として、これらの口コミによるメリットを受けないことは、とてももったないです。
ここでは、それぞれのメリットのポジティブな影響について詳しく解説します。
Googleマップや検索結果の露出が増える
外国人観光客の多くは、目的地を探す際にGoogleマップやGoogle検索を利用します。
そこで重要になるのが、レビュー数と評価点です。
レビューが多く評価が高いお店や観光スポットは、Googleマップの露出率や検索結果の上位表示率が上がります。
これはGoogleも「Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。」と公表している事実です。(Googleビジネスプロフィール ヘルプの一部抜粋)
例えばスマホで「近くのラーメン屋」とGoogle検索をすれば、検索結果にGoogleマップ付きで上位3件が強調して表示されます。
つまり、この上位3件に入るかどうかで、お店の情報のクリック率も大きく変わって、来客につなげられる可能性が高まります。
また外国語の口コミを獲得できると、その同じ言語の人にとっては、それが強力な広告効果を発揮することは言うまでもありません。
関連記事:MEO対策とは?やり方と業者を選ぶ際のポイントをわかりやすく解説

異文化に初めて触れる時、同じ文化圏の人が高評価をしているという事実は、何事にも代えがたい安心につながります。
意外な文化圏でバズるチャンス
外国人の口コミは、日本人が想定していなかった価値を見出し、思わぬ形で「バズる」ことがあります。
例えば、店内の内装や商品パッケージ、接客のちょっとした所作が、海外の文化圏では非常に新鮮に映り、それがSNSや口コミレビューを通じて拡散される可能性があります。
他にも外国人は、日本のカレーを好む傾向にあり、チェーン店でカレーを頼む外国人が多かったりと、日本人客だけでは開花することのなかった新たなマーケットが、外国人によって開拓される可能性があります。
訪日外国人は、韓国や中国のようなアジア圏の人が多いことが、データでもはっきりと判明しています。(参考:日本政府観光局 JNTO)

ただ実際に街中に出てみると、ヨーロッパや東南アジア圏の人を見かけることもあり、まだまだ異文化からバズるチャンスが眠っていると言えるでしょう。
口コミレビューサイトのランキングや評価アップ
トリップアドバイザーやYelp、OpenRiceなど、海外発の口コミサイトでは、ユーザー評価やレビュー数がランキングに直結します。
外国人観光客が多く訪れるエリアでは、これらのプラットフォーム上での評価が、実際の集客に直結する重要な要素となっています。
例えばトリップアドバイザーでは、「トラベラーズチョイス(Travelers’ Choice)」という称号を、世界中の旅行者から高評価を得ている施設に授与しています。
この称号は、上位10%に入る人気施設の証として公式に認定され、該当店舗にはシールやデジタルバッジが提供されます。
店頭にこのトリップアドバイザーの認定シールが貼ってあると、外国人も信頼できる店という確証が持てるので、来店の決め手になることも多いです。
外国人観光客が利用している有名な口コミサイトは、旅先での貴重な情報源となっており、一度ランキング上位に食い込めば、継続的な集客につながる可能性があります。

インバウンド対策をする飲食店、ホテル、観光施設にとっては、広告費をかけずに世界中の旅行者に見つけてもらえるチャンスです。
外国人に口コミを書いてもらうインバウンド対策

まず外国人観光客に来店してもらうことが大切ですが、来店後に「口コミを書いてもらう」ことも重要です。
せっかく多くのお店の中から選んで貰ったそのチャンスを、無駄にせず次のお客さんにつなげるためにも「口コミを書いてもらう」ことを意識したインバウンド対策が求められます。
ここでは、外国人に口コミを書いてもらうために、店舗側ができる具体的な対策を解説します。
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過去の外国人の口コミを掲載する
口コミを書いてもらうには、そのお店が「口コミを歓迎している」と認識してもらうことが重要です。
そのために効果的な手段が、過去に書いてもらった外国人の口コミを掲載することです。
例えば英語で「Thank you for the great review!」と添えて過去のポジティブなレビューをSNSに投稿すれば、新たな来客者にも「自分の声が届くかも」と感じてもらうことが出来ます。
また消費者心理としても、そのお店のファンとなって応援したいという気持ちの後押しにもつながります。
SNSを例にとりましたが、店頭や店内にGoogleマップでもらった口コミを印刷して掲示するのも良い方法です。

「この楽しかった体験を母国の人にも伝えたい!」と思ってもらえる環境作りが重要になります。
多様なキャッシュレス決済に対応する
外国人観光客の多くは、現金よりもキャッシュレス決済を好む傾向にあります。
特に母国で使い慣れた決済方法が使えるかどうかは、店舗選びや満足度に直結する重要な要素です。
以下のように、国・地域ごとに主要なキャッシュレス決済は異なります。
国・地域 | 主なキャッシュレス |
---|---|
中国 | We Chat Pay、Alipay |
韓国 | Kakao Pay、Naver Pay |
アメリカ ヨーロッパ | Apple Pay、Google Pay |
東南アジア (国によって異なる) | GrabPay、Touch ’n GoMOMO、ZALOPAYGCashなど |
これらに対応していると、支払いの利便性だけでなく「外国人への配慮がある店」として高く評価される傾向があります。

実際に「〇〇Payが使えて助かった」といった好意的なレビューにつながることも多く、口コミを自然に増やすための基盤としてキャッシュレス対応は重要です。
Googleビジネスプロフィールを多言語展開
Googleビジネスプロフィールは、訪日外国人が検索やGoogleマップで店舗を見つける際の最も基本的な情報源となる場所です。
このプロフィール情報を、英語や中国語、韓国語など多言語で整備しておくことは、口コミ投稿を促す上でも重要です。
説明文や営業時間、サービス内容、支払い方法などを多言語化することで、来店前後の不安が軽減され、口コミ投稿のハードルが下がります。
また「対応してくれている」という事実は、ポジティブな口コミにもつながります。

Googleビジネスプロフィールは、外国人の自然な口コミ増加につながる基盤となります。
Instagramに英語のハッシュタグをつける
Instagramは、旅行中の写真共有だけでなく、目的地選びにも使われるツールです。
Instagram上で、外国人に口コミ的な投稿をしてもらうには、英語のハッシュタグ(例:#kyotocafe #tokyofood #japantravel)を店舗アカウント側でも積極的に使用するのが効果的です。
英語圏の旅行者は、このようなタグ検索をする傾向が強く、タグの存在によって投稿の発見性が高まります。
また投稿をシェアしたり、英語でお礼コメントを返すことで「この店は国際的にオープンだ」と認識されて、自然と外国人からの発信やレビューが増えていくきっかけになります。
Instagramは、写真共有を伴った口コミになるので、言葉だけでなく視覚的なアプローチで集客を行なうことができます。

特に写真や動画でその魅力が伝わるサービスは、Instagramというプラットフォームは強力な集客ツールとなります。
外国人が利用する口コミサイトに店舗登録する
外国人観光客が旅行前に参考にする口コミサイトは、以下のように日本国内向けサイトとは異なる傾向があります。
日本の主な口コミサイト | 海外の主な口コミサイト |
---|---|
食べログ ホットペッパーグルメ Retty 楽天トラベル じゃらん 一休.com | Tripadvisor Yelp OpenRice Booking.com Expedia |
まずは、Tripadvisor、Yelp、OpenRiceなどの海外で一般的に使われている口コミサイトに、自店舗を登録することが重要です。
特にTripadvisorは英語圏での信頼性が高く、口コミを書いてもらう導線も整っています。
登録後は、外国人向けに対応した店舗情報(メニュー、設備、支払い方法など)を記載することで、安心感を与え、口コミ投稿の後押しになります。

口コミを書きやすい場所を整えることが、自然な口コミを促すことにつながります。
外国人観光客が実際に見ている口コミサイト7選

インバウンド対策において重要なことは「外国人が実際にどこの口コミサイトを見ているか」を知ることです。
いくら日本で普及している口コミサイトで、日本人の口コミばかりで高評価を得ていても、それを外国人が参考にする可能性は低いです。
世界では、国や地域によっても普及している口コミサイトは異なるため、ここではよく参考にされているサイトを厳選して7つ紹介していきます。
1.Googleマップ
Googleマップは、外国人観光客が「今いる場所の近くでどこに行くべきか」を調べる際に、最も多く使われているサービスの一つです。
現在地から近い飲食店や観光スポットを検索し、レビューや評価スコア、写真などをチェックして訪問先を決める行動が一般化しています。
Googleマップに表示される情報は、Googleビジネスプロフィールと連動しており、レビューの数や評価などによって露出度が変わります。
言語設定に応じて表示される口コミの言語も変わるため、外国語のレビューが投稿されるほど、多言語ユーザーへのアピール力が増します。
関連記事:悪い口コミが与える影響力はどれくらい?Googleを活用した集客率アップの方法も解説

地図上での存在感がそのまま集客力につながるため、最優先で対策すべき口コミプラットフォームと言えるでしょう。
2.トリップアドバイザー(Tripadviser)
トリップアドバイザーは、旅行者向けの口コミサイトとして世界的に高い信頼を得ています。
特に欧米の旅行者は、旅行前にこのサイトで宿泊施設やレストラン、観光スポットのレビューを綿密にチェックし、旅行プランを組み立てる傾向があります。
店舗や施設が高評価を得ると、「トラベラーズチョイス」などの称号が付与され、検索結果でも目立つようになります。
また、英語圏以外の言語にも対応しており、各国の旅行者に広く利用されている点も強みです。
トリップアドバイザーに店舗情報を登録し、外国人レビューを蓄積することは、長期的な信頼の獲得と継続的な集客につながります。

通りかかったお店にトリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス」のシールが貼ってあるのを見かけると、それは大きな信頼として伝わり、来店のきっかけにつながります。
3.Yelp(イェルプ)
Yelpは、アメリカ発のレビューサイトで、飲食店やサービス業を中心に世界中で使われている口コミサイトです。
日本国内での知名度はそれほど高くありませんが、アメリカやカナダ、オーストラリアなどからの訪日外国人にとっては、非常に馴染みのある口コミプラットフォームです。
特に英語圏の旅行者は「GoogleよりYelpの方が信頼できる」と感じている人もおり、滞在中の飲食店選びやサービス評価の際に積極的に利用しています。
Yelp上に店舗を登録し、英語での基本情報や写真を整備することで、外国人からの口コミが増えやすくなります。

英語圏の旅行者をターゲットにしたい場合、Yelpの対策は外せないでしょう。
4.OpenRice(オープンライス)
OpenRiceは、香港発の飲食店レビューサイトで、台湾・シンガポール・タイなど東アジアや東南アジア圏で広く利用されています。
中国語対応が充実しており、漢字文化圏の外国人観光客が、日本のグルメ情報を調べる際にも使われています。
日本国内でも、観光地や都市部の飲食店が掲載されているケースが増えており、口コミが蓄積されることで、アジア圏からの訪日客への訴求力が高まります。
中国語や英語での店舗情報登録が可能なので、飲食店でアジア圏の集客を強化したい場合は、OpenRiceへの対応が効果的です。

日本はアジア圏からの旅行者が多いので、インバウンド対策においてOpenRiceは必須と言えるでしょう。
5.Booking.com(ブッキングドットコム)
Booking.comは、世界最大級の宿泊予約サイトであると同時に、宿泊施設の口コミが重視されるサイトでもあります。
ホテルだけでなく、最近では民宿やゲストハウス、旅館なども多く掲載されており、口コミの評価が宿泊予約に直結します。
レビューは、宿泊後に自動で依頼される仕組みがあるため、投稿数も自然に多くなりやすいです。
言語は自動翻訳で多言語対応されるため、各国の旅行者がそれぞれの言語で口コミを参考にできます。

施設側が施設情報や写真をきちんと整備しておくことで、高評価の口コミが投稿されやすくなり、継続的な予約と来客につながります。
6.Expedia(エクスペディア)
Expediaは、アメリカを中心に世界中で利用されているオンライン旅行代理店です。
ホテルや航空券の予約に加え、観光ツアーやアクティビティの予約も可能で、利用者の多くは口コミを重視して選択しています。
Expediaの口コミは、Booking.comと同様に「宿泊後に投稿された実際の利用者の声」であることが前提となっており、信頼性が高いのが特徴です。
日本のホテルや旅館も数多く登録されているため、欧米圏の宿泊者からの口コミを集めるには有効なプラットフォームです。

口コミ評価が高いと「おすすめ順」や「人気順」の表示で上位に表示されやすくなり、集客につなげることができます。
7.SNS(Instagram,Facebook,X)
SNSは、口コミという枠を超えた「体験の共有」の場として、外国人観光客が旅先でリアルタイムに発信する手段として重宝されています。
SNSによっても、利用者層や活用方法が異なるため、自身のサービスにあったSNSを使う必要があります。
種類 | 詳細 |
---|---|
・20〜30代の女性・旅行好きの若年層が中心。 ・「#japanesefood」や「#tokyocafe」などのハッシュタグ検索が重要。 ・料理の盛り付けや内装の美しさが強みになる。 | |
・30〜50代の旅行リピーターやファミリー層が中心。 ・旅行者同士のグループで情報共有されるケースが多い。・実用性、信頼性の高い情報共有の場として向いている。 | |
X(旧:Twitter) | ・幅広い年齢層に利用される。 ・リアルタイム性が高く、体験直後の感想や写真が投稿されやすい。 ・話題性や偶発的なバズりに強く、予想外の拡散につながることもある。 |

これらをうまく使い分けることで、ターゲット層に合った口コミを自然に誘発でき、外国人観光客の来店や来訪を促進する効果が期待できます。
外国人が口コミレビューで使うネガティブなキーワード

外国人観光客の口コミには、文化や期待の違いから日本人ではあまり使わないネガティブな表現が多く含まれます。
口コミの内容を正しく把握し、改善につなげるには、各国語で使われやすい否定的なキーワードを知っておくことが重要です。
以下に、英語・中国語・韓国語での代表的なネガティブ表現を、飲食店とホテルに分けて一覧表で紹介します。
各国でよく使われる ネガティブ表現とその意味 | |
---|---|
英語 | bland taste → 味が薄い、印象に残らない味 overpriced → 値段が高すぎる rude waiter → 店員の態度が悪い slow service → 提供が遅い not worth the hype → 評判の割に大したことない |
中国 | 太油了 → 油っこすぎる 味道一般 → 味は普通 慢得离谱 → 非常に遅い 服务员脸很臭 → 店員の態度が悪い 排队太久 → 待ち時間が長すぎる |
韓国 | 너무 느렸어요 → 提供が遅すぎた 위생이 안 좋아요 → 衛生的に問題がある 맛이 별로였어요 → 味がいまいちだった 비쌌어요 → 高かった 사진이랑 달라요 → 写真と違った |
その都度、翻訳ツールで調べるのもいいですが、このくらいの簡単な表現くらいは覚えておけば、口コミ全体の理解も深めやすくなります。

不満をいち早く察知して、早期改善に努めることが、ネガティブなイメージの拡散防止につながります。
外国人のネガティブな口コミが及ぼすリスク

外国人観光客の口コミの中には、日本人のお客さんからは想像できない意外なポイントを指摘する口コミがあったりします。
これは文化や価値観の違いから生まれるもので、経営者側が未然にどうこうできるものではなく、発見次第、改善していくことになります。
ただ、こうしたネガティブな口コミは、今の日本の大きなインバウンド需要を逃すことにつながります。
ここでは、外国人によるネガティブな口コミがどのようなリスクをもたらすのか、具体的な視点で解説します。
文化の違いで思わぬ低評価を招く
外国人観光客の口コミで特に注意すべきなのが、文化の違いによって思わぬ低評価を受けるケースです。
例えば日本では、「お客様に干渉しすぎない接客」が丁寧とされますが、英語圏では「気にかけてもらえない=サービスが悪い」と評価されることもあります。
店員が無言で料理を運んだり、注文時に笑顔がなかったりすると、「冷たい」「歓迎されていない」と受け取られてしまう可能性もあります。
また、日本では黙って並ぶことがマナーでも、海外では案内や声かけがないことを不親切と感じられる場合もあります。

こうした文化差を理解せずに運営を続けると、店舗のサービスの意図とは違うマイナスの口コミが蓄積してしまい、店舗の評価低下につながります。
低評価でインバウンドの恩恵を失う
観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2024年の訪日外国人の旅行消費額は8兆1,257億円となり、前年比では53.1%増の大幅上昇となりました。
これはコロナ前の2019年と比べても68.8%増となり、インバウンドによる経済効果はもはや無視できないレベルになっています。
このような大規模なインバウンド需要を取り込むには、外国人からの口コミ評価が重要です。
実際、GoogleマップやTripadvisorといった口コミサイトでは、店舗の評価スコアや口コミ内容が、検索結果での目立ちやすさや、訪問先として選ばれるかどうかに影響します。
外国人観光客は、口コミをガイドブックよりも信頼できる情報源と捉えており、低評価やネガティブなコメントが複数あれば、候補から外れる可能性も十分にあります。
特に、文化の違いによる誤解や一時的なトラブルに起因する低評価であっても、それが放置されていれば「対応改善しない店」として悪印象が定着してしまうこともあります。

こうしたリスクを回避し、インバウンド市場の恩恵を最大限に受けるためには、日頃から口コミへの意識と対応姿勢が求められます。
外国人に悪い口コミを書かれないための対策

インバウンド需要が拡大する中、外国人観光客からの悪い口コミは、店舗の集客に大きな悪影響を及ぼします。
たとえ日本で高評価のサービスであっても、文化や言語の壁による誤解や不満で、低評価の口コミを書かれるかもしれません。
そのため、外国人にとって「わかりやすく安心して利用できる店」であることが、悪い口コミを防ぐうえで重要な要素になります。
ここでは、現場で実践できる具体的な対処法を解説します。
メニューは多言語対応&写真掲載する
言語の壁によって発生する誤注文や不安感は、外国人のネガティブな口コミにつながりやすいポイントです。
そのため、メニューは英語、中国語、韓国語など複数言語での表記を基本とし、あわせて写真を掲載することが効果的です。
特に食材や調理法がわかりにくい日本料理は、写真によって視覚的に理解しやすくなり、想像していたものと違ったという不満を防げます。
また、アレルギーやベジタリアン対応などの表記も忘れずに盛り込むと、安心感が増します。
言語ごとにメニュー表を複数用意したり、一つのメニュー表を多言語化するなど、そのお店に合う方法で取り入れればいいと思います。

多言語&写真付きメニューは、外国人観光客を期待通りの料理に出会ってもらうための大切な商売道具です。
注文方法を明確に掲示する
外国人観光客に誤解を与えないためには、注文方法を明確に掲示することが重要です。
日本独自の注文スタイルは多様で、慣れていない外国人には混乱のもとになります。
日本における注文スタイルの例は以下の通りです。
注文スタイルの種類 | 主な業態・特徴 |
---|---|
食券を購入してから席に着く | ラーメン屋などで多い。券売機を使用。 |
席に座ってから口頭で注文する | 居酒屋やレストラン。スタッフが対応。 |
カウンターで先に注文・支払いし、呼ばれて取りに行く | ファストフード店に多い。番号で呼び出し。 |
タッチパネルでセルフ注文する | 回転寿司チェーンなど。注文が自動で厨房へ。 |
QRコードを読み取ってスマホで注文 | カフェ・居酒屋などで最近増加中。 |
レジ横のメニュー表で注文し、支払い後に商品受け取り | ベーカリーや一部のカフェ。レジ横に商品配置。 |
このようなバリエーションに慣れていない外国人にとって、戸惑いが接客トラブルやネガティブなレビューの原因になりやすいでしょう。
多言語対応のメニューや注文手順の案内を整備することで、スムーズな注文が可能となり、満足度の向上につながります。
ほかにもセルフサービスやスタッフへの注文方法を、イラストや図解を用いて分かりやすく案内するのもよいでしょう。

入店時に不安を抱かせると、その後のサービスにおいても、ちょっとしたボロが目につきやすくなるので、ネガティブな口コミを誘発する要因になってしまいます。
多言語がしゃべれる従業員を雇用
外国人観光客に悪い口コミを書かれないためには、多言語対応が可能な従業員の雇用が効果的です。
言語の壁を取り除くことでスムーズなコミュニケーションが実現し、顧客満足度の向上とトラブルの防止につながります。
また、外国人スタッフを雇用することで、多文化的な視点が店舗運営に取り入れられ、外国人観光客に対応したサービスや多国籍メニューの開発など、新たな事業展開の可能性が広がります。
このように多言語が話せるスタッフの存在は、外国人客にとって「また来たい」と思える大きな要因です。

人件費がかかるデメリットはありますが、悪い口コミの回避やリピーター獲得という長期的なメリットは大きく、インバウンド対策として非常に有効です。
外国人の口コミを日々監視しサービスを改善する
悪い口コミを完全に防ぐことは難しくても、投稿内容をこまめにチェックし、指摘されたことや不満点を改善していくことは重要です。
また改善だけでなく、悪い口コミに返信し、改善の意図を伝えるだけでもお店のイメージ回復に繋がります。
GoogleマップやTripadvisorなどのレビューを日常的に確認し、ネガティブな声に対して丁寧に返信することで「この店はフィードバックを真剣に受け止めている」といった印象を与えることができます。
対応の早さや誠実さは、他の閲覧者にも伝わり、やがて評価の回復や信頼獲得につながります。

外国人からの悪い口コミをクレームと捉えるのではなく、成長できる伸びしろが発見できたと捉えて、継続的なサービス向上に努めることが大切です。
まとめ:口コミは外国人のインバウンド対策に必須
外国人観光客による口コミは、インバウンド対策において欠かせない存在です。
ポジティブな口コミの獲得は、検索結果や口コミサイトでの露出を高めて、新規顧客の来店につながります。
一方で、文化の違いから生まれる誤解や、ちょっとした案内不足でネガティブな評価を受けることもあります。
ネガティブな口コミを書かれないためには、多言語対応、キャッシュレス決済の導入、口コミの監視と改善を継続的に行なうことが重要です。
日本の大きな経済効果の一つとなりつつあるインバウンド需要の中で、自店舗を選んでもらうためには、外国人の口コミを上手く活用することが求められます。
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