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生成AIと著作権問題:事例や侵害リスク、ガイドラインを徹底解説

生成AIと著作権問題:事例や侵害リスク、ガイドラインを徹底解説

生成AIの登場により、テキストや画像、音楽など様々な創作物が手軽に生成できるようになりましたが、その一方で著作権問題が深刻化しています。

本記事では、生成AIと著作権の関係について詳しく解説し、著作権侵害のリスクや具体的な事例、文化庁が示したガイドラインから分かる問題点について解説します。

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生成AIの利用における著作権侵害のリスク回避方法についても触れ、クリエイターとしての今後の創作活動における影響も含めてお話しします。

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生成AIとは?定義と著作権との関係

生成AIとは?定義と著作権との関係

生成AIは、近年では特にChat GPTの台頭により、一般人でも手軽に触れられる環境になりました。

その反面、著作権侵害のリスクも高まっています。

ここでは生成AIの定義を解説した上で、著作権侵害にあたるリスクにも触れていきます。

生成AIとは?その意味や定義

生成AIとは、膨大な学習データをもとに、テキスト、画像、動画、音楽といった人間が生み出しているものを、簡単な指示によって生成することができる人工知能です。

今までも「AI」という言葉はありました。

では「生成AI」とは、かつて言われていた「AI」と何が違うのか?

その違いを実用例を交えて以下にまとめます。

できること実用例
AI機械学習によって、情報を記憶し、予測、分類、認識する顔認証、自動運転技術、Siri(音声アシスト)
生成AIディープラーニングによって、自らが膨大なデータから学習し、新しいコンテンツを生成するChat GPT(テキスト生成)、Stable Diffusion(画像生成)、Gen-2(動画生成)Suno AI(音楽生成)
生成AIとAIの違い
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学習からオリジナルの創作物を生み出しているかどうかがポイントです。

生成AIが創作に与える影響

生成AIが創作に与える影響は大きいです。

創作の手助けとなることもあれば、創作の妨げになるようなこともあります。

ここでは、生成AIが創作に与える良い影響と悪い影響に分けて解説します。

良い影響悪い影響
作業効率の短縮
人件費の削減
人間にはできない発想を取り入れられる
技術を持たない人もアイディアがあれば市場参入できる
クリエーターの創作意欲の低下
クリエーターの雇用喪失
著作権侵害の可能性がある
芸術や文化の発展の鈍化
良い影響と悪い影響

なぜ著作権侵害のリスクがあるのか?

生成AIを利用する上で、一番気を付けなければいけないのが著作権侵害です。

ここでは、生成AIの利用においてなぜ著作権侵害のリスクがあるのか、その理由をまとめて解説します。

学習データに依存している
生成AIは、膨大なデータをもとに学習できるディープラーニングによって、創作物を生成します。そのため学習データの中に著作権を持ったものが含まれる可能性があります。

生成AIの創作物の帰属が不明確
生成AIによる創作物の著作権が誰に帰属しているのかが曖昧です。クリエイター、AIソフト開発者、学習データに使われた著作物の保持者、この三者の間でトラブルになる可能性があります。

生成AIの法整備が追いついていない
現状の法律では、生成AIによる創作物の著作権を主張することはできません。また学習データのどこまでが参考で、どこまでが盗用にあたるのかも不明確なため、著作権をめぐりトラブルになる可能性があります。

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生成AIソフトは今や素人でも手軽に扱えてしまうくらいに普及しています。またその技術や精度も目覚ましい発展を遂げているため、一刻も早い法整備が必要です。

文化庁が示したガイドラインから分かる新たな問題点

文化庁が示したガイドラインから分かる新たな問題点

生成AIの著作権問題には、文化庁がそのガイドラインを示しています。

ガイドラインから新たにわかる問題点について解説します。

文化庁のガイドラインからわかる生成AIの倫理観や問題点

2024年3月に文化庁から「AIと著作権に対する考え方について」と題したガイドラインが示されています。

この資料で取り上げられた、生成AIの利用における倫理観や著作権上の問題点についてまとめました。

  • 著作物に類似・依拠したものが生成された場合、第三十条の四にどこまで適用されるのか
  • ○○風といった創作物が大量に生成されることでオリジナルのクリエーターの仕事が奪われてしまう
  • 海賊版や違法アップロードされたものも学習されてしまう
  • 海外の著作物を学習して、著作権侵害を疑われた場合、どの国の法律を適用するのか
  • 法的問題をクリアしていたとしても、生成AIを利用しただけで著作権侵害を疑われやすい
  • 努力をせずに創作をしたのではないかという冷評や風評被害
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依拠という言葉が出てきますが、これは「依拠性」という言葉で著作権侵害でよく使われる用語です。創作時に既に存在している著作物を参考にし、それに基づいて創作することを指します。

生成AI作品の著作権帰属は誰に属するのか?

結局のところ、生成AIによる創作物の著作権が誰に帰属するのかは、不明確です。

誰の権利にも属さない無著作物となる可能性もあります。

これらは法整備ができていないことから、ケースバイケースで扱われることが多いです。

日本の著作権法では著作物に対しては以下の定義があります。

著作権法第二条の一項

著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

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生成AIで使用したプロンプトそのものが、この「思想又は感情を創作的に表現したもの」に当てはまるかが焦点になってきます。プロンプトとは、生成AIにどのようなものを生成させるかを指示する命令文のことです。

生成AIによる著作権侵害の事例

生成AIによる著作権侵害の事例

ここでは実際に生成AIによって著作権侵害を受けて裁判にまでなった事例を紹介します。

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写真データを許可なく学習データに使用したとして提訴

アメリカの大手写真素材サイトを運営するPlaintiff Getty Imagesが、自社が保有する1200万枚以上の写真を許可なく学習データとして利用したとして、イギリスの生成AIソフト「Stable Diffusion」を開発したStability AIを提訴しました。

Webサイトにおいて、商用目的でのコンテンツの無許可のコピーを禁止しているにも関わらず「Stable Diffusion」の学習データのために、関連するテキストとメタデータを使用されたと言っています。

アメリカの法律が適応され、学習データによる利用がどのように判断されるかが争点になっています。

中国でウルトラマンが生成AIによって著作権侵害を受けたとし損害賠償を求めた

中国で、円谷プロダクションからウルトラマンシリーズの著作権を委託されていた上海新創華文化発展有限公司が、AI公司が運営するサイトの生成AI機能によって著作権侵害があったとし提訴しています。

裁判所によって、画像を比較してウルトラマンとの類似性が高いことが認められました。

裁判所は被告に対して、生成AIによるウルトラマン画像の学習利用の停止を命じましたが、類似画像の生成が完全には停止されなかったため、さらなる技術的措置を強化するように命じました。

原告は30万元の損害賠償を請求していましたが、損害額の証明が難しかったため、裁判所は1万元の賠償を命じています。

ニューヨークタイムズが記事を許可なく学習データとして利用したとし損害賠償を求める

アメリカのニューヨーク・タイムズは、自社記事がChat GPTの学習データとして許可なく無断利用されたとし、ソフトの開発元のOpen AIと出資しているマイクロソフト社に対し、著作権侵害による損害賠償を求めています。

ニューヨークタイムズは、訴状において「大量の著作権侵害をベースにした事業モデルだ」と厳しく批判し、損害は「数十億ドルに上る」と試算しています。

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これほど大手の報道機関が生成AIに対して裁判を起こしたことは、非常に注目度が高く、裁判の結果が後世に与える影響も大きいでしょう。

AIイラストと商用利用

AIイラストと商用利用

生成AIはイラストとの親和性が高いです。

思い通りのイラストがたった数秒で生成されるようになった現在において、これをビジネスに利用しようとする方も増えています。

ここではAIイラストが商用利用可能かどうか、また著作権フリーと呼ばれる理由について解説します。

AIイラストの商用利用は可能か?

ここでは各画像生成AIソフトごとに、商用利用が可能かどうかをまとめました。

画像生成AIソフト商用利用の可否
Stable Diffusion商用利用が可能
ただしAIモデルを商用利用する際は有料メンバーシップへの参加が必要
DALLE・E3商用利用が可能
生成にはChatGPT Plusの加入が必要
Adobe Firefly商用利用が可能
Microsoft Copilot商用利用が可能
AIイラスト商用利用
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商用利用は可能ですが、その学習データが著作権侵害しているかどうかはまた別の話になり、グレーゾーンな部分が多いです。また生成物に著作権を持たないことが多く、商用利用したものが二次利用される可能性もあります。

AIイラストが著作権フリーと言われる理由

AIイラストが著作権フリーだと言われる理由は以下の2点です。

著作権の基準を満たさないから

著作権法第二条の一項では、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定義されています。AIが生成したコンテンツは、学習データに基づいて自動的に生成されるもので、人間の「創作的な思想や感情」が直接的に反映されていないと判断されることが多いです。

著作者が存在しないから

著作権法第二条のニ項にある通り、著作者とは「著作物を創作する者をいう。」とされています。つまり生成AIが創作したのであって、人間が作ったわけではないため「著作権フリー」とみなされるケースがほとんどです。

Photoshopの生成AI機能が安全と言われている理由

Photoshopの生成AI機能は、Adobeが開発した「Adobe Firefly」という生成AIツールを元に提供されています。

この「Adobe Firefly」は、生成AIツールの中でも特に安全に利用できると言われています。

それは学習データの素材を限定することで、著作権や知的財産権の問題をクリアにしているからです。

「Adobe Firefly」が学習データに使っている画像は主に以下の3つになります。

  • Adobe Stockの画像
  • パブリックドメインの画像
  • オープンライセンスの画像
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「Adobe Firefly」はポリティカルコレクトネス(ポリコレ)にも対応しており、生成物にポルノや暴力、差別表現を除外するように設計されているので、誰かを傷つけるような心配もありません。

生成AIがイラスト業界に与える影響

実際、生成AIはイラスト業界に様々な影響を与えています。

特にイラストツールを取り扱う会社において、業界に影響を与えたニュースを紹介します。

イラストツール会社ニュース
「Procreate」
iPad専用のデジタルイラストアプリ
2024年、生成AIを製品に統合しないという強い立場を表明。
競合他社が次々とAI導入する中で、この対照的な動きは多くのクリエーターに注目を浴び、支持を集めている。
「Wacom」
ペンタブレットや液晶タブレットを取り扱う企業
2024年、自社のマーケティングにおいて、生成AIと思われる画像を使用。
デジタルイラストのツールを取り扱う企業が、生成AIを推進するような行為を行ったことから、クリエーターから強い批判を受けた。
生成AIイラスト業界ニュース
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Procreate が表明した「生成AIは私たちの未来ではない。」というキャッチコピーは、人間の豊かな創造性や倫理観に訴えかけてくる声明です。

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生成AIと音楽著作権

生成AIと音楽著作権

生成AIは、音楽業界にも参入しています。

歌詞とジャンルを指示するだけで、たった数秒で歌声付きの音楽が生成されるところまで技術は発展しています。

その一方で、著作権侵害に対する問題が高まってきているのも明らかです。

ここでは、実際に訴訟になった事例と今後の音楽業界への影響について解説します。

音楽業界での訴訟事例

2024年、大手レコード会社のソニーミュージック、ユニバーサル・ミュージック・グループ、ワーナーレコードの3社は、音楽生成AIソフトの学習データに無断で音源が使用されたとして、Suno とUdio を連邦裁判所に提訴しました。

訴状には、Suno と Udio が人間の作品を直接競合し、陳腐化させ、最終的には人間のアーティストの作品を凌駕する音楽を作るようAIに教え込んだとあります。

Suno のCEOは「既存のコンテンツを記憶して流用するわけではなく、まったく新しいアウトプットを生成すべく設計されています。だからこそ、特定のアーティストに関連したユーザープロンプトを許可していないのです」と主張しています。

大手3社は損害賠償を求めており、1曲につき最高15万ドルの請求を求めています。

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大手レコード会社3社が揃って、音楽生成AIソフトの2台巨頭とも言える Suno と Udio を提訴しました。これほどの大手が協力して提訴するということは、生成AIによる著作権侵害だけでなく、人間の音楽創作の未来に対する脅威も感じているように捉えられます。

生成AIが音楽業界に与える影響

日本では、JASRAC(日本音楽著作権協会)が文化庁に対して「AIと著作権に関する考え方について(素案)」という意見書を提出しています。

意見書に書かれていた主な内容をまとめました。

  • 著作権制度は機械による生成を奨励するためのものではない
  • クリエイターの個性そのものである作風も保護した方が著作権制度の存在意義に即している
  • 作風の類似するAI生成物が大量に出力されることは著作権者の利益を不当に害することとなる
  • AI利用者が著作物を認識していなくても学習データに使われていたならば著作権侵害になりうる
  • 必要に応じて新たな立法措置も視野に入れた検討を継続すべき
  • 学習素材として利用されることの可否をクリエイター等の権利者が判断する機会を設けるべき
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クリエイターが学習素材として利用されることの可否を判断する機会を設けるという意見は、クリエイターを守りつつも生成AIを完全否定しない建設的な意見と言えます。

生成AIによる著作権侵害リスクの回避方法

生成AIによる著作権侵害リスクの回避方法

生成AIの利用には、必ず著作権侵害のリスクがつきまとってきます。

著作権侵害のリスクを回避する方法は主に以下の3点です。

  • ライセンスを受けた素材や著作権フリーの素材だけを学習データに取り込む
  • 学習データをすべて公開し透明性を持たせる
  • 生成物に手を加えて創造性を付加する
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これらの回避方法は、生成AIソフト開発者の技術的措置が必要となるものばかりで、生成AIソフト開発者の倫理観が問われます。AdobeのPhotoshopの生成AI機能は、ここに上げた回避方法を少なくとも取っていることは事実です。

生成AIと著作権問題のまとめ

生成AIの発展は創作活動に新たな可能性をもたらしていますが、一方で著作権侵害のリスクも伴います。

文化庁のガイドラインを含む法的な整備が追いついていない現状では、クリエイターや生成AIソフト開発者に著作権の取り扱いの倫理観が委ねられているのも事実です。

またNYタイムズ、Plaintiff Getty Images、ソニーミュージックなど各メディアの大手企業が、生成AIソフト開発者に訴訟を起こしています。

これらの裁判結果によっては、生成AIソフト開発者の立場も大きく変わることでしょう。

生成AIは今後さらに普及することが予想されるため、一刻も早い法整備が必要になります。

生成AIと人間の創造力が共存した社会になるには、もう少し時間がかかりそうです。

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生成AIの便利さと引き換えに、著作権問題が避けられない現状がよく分かりましたね。学習データや生成物の扱いには十分な注意が必要で、クリエイターや開発者にとっても重要な課題です。

生成AIを使う際には、リスクをしっかり把握して、安全な創作活動を心がけていきましょう!

#生成AI #生成AI著作権

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