ネット風評被害は、会社や個人に対して誹謗中傷や虚偽の情報が拡散されることで発生します。

放置することで、ブランド価値の低下や顧客離れ、業績悪化を引き起こす可能性があるため危険です。

「○○ラーメン　まずい」「○○学校　いじめ」「○○会社　逮捕」のようなイメージが付くことは、精神的にも気持ちのよいものではありません。

この記事を読めば、以下のようなことが分かります。

ネット風評被害は、未然に防げるものならそれが理想的です。

ただ、どうしても被害にあってしまうこともあります。

ネット風評被害対策は、業界ごとに有効な対策方法が異なるため、それに応じた適切な専門家への相談が重要です。

誹謗中傷やネガティブな言葉から会社を守り、健全なビジネス環境を維持しましょう。

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ネット風評被害とは？具体的な例

ネット風評被害とは、会社・個人・製品・サービスなどが、悪評や根拠のない噂やデマをインターネット上に拡散されることで起こる被害のことです。

ネット風評被害は、現実世界の口コミや噂と異なりネット上で広く拡散されるため、私たちが想像もつかないような場所にまで被害が及ぶ時があります。

ここでは、実際にネット風評被害がどのような場所で発生するか、その具体例を解説します。

検索欄に表示されるネガティブキーワード

ネット風評被害の代表例の一つが、検索欄に表示されるネガティブなキーワードです。

例えば、GoogleやYahooといった不特定多数の人が利用する有名検索サイトで、会社名を入力したときに「○○会社　ブラック」と続けて表示されたらどう思いますか？

「○○会社　ブラック」から連想されるイメージには、以下のようなものがあります。

検索欄に表示されるキーワードがどのように選ばれるかは、その検索サイトのアルゴリズムによって異なります。

ただ多くの場合で、頻繁に検索されるキーワードや、その会社と関連性の高いキーワードが選ばれています。

つまり「○○会社　ブラック」と出るということは、ネット上でその会社がブラック企業だという噂が多く拡散されているということになります。

ネット風評被害が厄介なところは、事実かどうかは関係ない点です。真っ当な会社経営をしていても、悪い噂が立てば被害につながります。

口コミ・レビューサイトの悪評や低評価

商品やサービスを提供する企業は、口コミ・レビューサイトの悪評や低評価も、ネット風評被害につながりやすく危険です。

例えば、飲食店で「まずい」「虫が入っていた」というような口コミがあれば、それを見たユーザーは選択肢からそのお店を外すでしょう。

100件の口コミの内、たとえ99件の高評価の口コミを貰っていたとしても、たった1人の悪評が多くの人の来店意欲を喪失させてしまいます。

ネガティブな言葉は、人の心を揺さぶり、簡単にその行動までも変えてしまう大きな力を持っています。

消費者庁が公表した「令和 6 年版 消費者白書」においても、評価が高くても否定的な口コミを見て購入をためらう人が、全体で63.9%もいることが分かっています。

商品やサービスを提供する会社は、口コミ・レビューサイトの悪評に対策を講じなければ、売上げ減少に直結します。

SNSで拡散される事実無根のデマ

SNSのデマもネット風評被害につながりやすいため注意が必要です。

例えば、会社で不祥事が発覚し、TVニュースなどの報道機関に取り上げられると、それはSNS上においても大きな話題として取り上げられます。

SNS上ではその不祥事に対して、根も葉もないことを好き勝手に発言されることが多く、それを見た人が事実誤認する危険性があります。

「どうせあんなことやこんなこともやってるんでしょ？」と、投稿された発言が一人歩きして、やがて本当に「あんなことやこんなこと」をしたかのように取り上げられることがあるため注意が必要です。

またSNSは、その拡散スピードが速いことも認識しておかなければいけません。

気が付いた時には、デマが回りまわって収拾がつかなくなってしまう危険性があります。

一度、デマが拡散され一般に広く認知されると、その誤解を解くことは難しくなります。

SNS上のネット風評被害は、早めの対策が重要です。

匿名掲示板の誹謗中傷

ネット風評被害が生まれやすい場所の一つに、匿名掲示板があります。

匿名掲示板はその名の通り、匿名で何かの議題に対して自由に気軽に書き込みできる掲示板です。

自由に気軽に書き込めることはメリットですが、ネット風評被害という観点で見れば大きなデメリットです。

人は、匿名であることが分かると、悪いことを言ってもバレないから許される、という心理が頭の中で働きます。

これがエスカレートすると、誰かの人権を否定したり、会社を侮辱したりするような言葉を使ってしまうケースがあります。

ネット上で見かける誹謗中傷の多くは、この匿名性の高さが原因で発生しています。

このような誹謗中傷が多く書き込まれることで、検索サイトで検索したときに、ネガティブな記事やキーワードが表示されやすくなってしまいます。

匿名掲示板でも度が過ぎた表現は、法律によってその投稿者を特定することができます。ネット上の発言は匿名であっても、自分の名前を冠している気持ちを持って投稿することが大切です。

ネット風評被害でよく使われる用語の意味

ネット風評被害を解説する時に、よく使われる言葉があります。

名前は聞いたことがあるけど、その意味まではしっかりと整理できていないこともあります。

ネット風評被害でよく使われる言葉の意味を改めておさらいしておきましょう。

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誹謗中傷
悪口や根拠のないデマで相手の人権や名誉を傷つけること。「誹謗」と「中傷」を組み合わせた言葉。「誹謗」は悪口を言うこと、「中傷」はデマで相手を傷つけること。

名誉棄損
公然と事実を指摘して人の名誉を傷つけること。刑法第230条の日本の法律の一つ。誹謗中傷で訴えられた時に適応されることが多い罪。ちなみに名誉を傷つけるにあたっての指摘内容が事実であるかどうかは関係ない。

逆SEO対策
あるキーワードで検索した際に、検索結果にそのキーワードに関連するネガティブな記事が上位に表示されるのを防ぐ施策。元はSEO対策という会社のHPなどを上位に表示させる施策があり、その逆のことをしているため逆SEOと呼ばれている。SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」という意味。

サジェスト汚染
検索サイトの検索フォームにキーワードを入力したときに、そのキーワードに関連してネガティブなキーワード候補が表示されること。サジェストとは検索欄に表示されるキーワード候補が表示される機能を指す。サジェストは「suggest」と書き、日本語で「提案する」「示唆する」などの意味がある。

発信者情報開示請求
インターネット上で誹謗中傷をした投稿者を特定するための手続き。IPアドレスや契約者情報が分かるため、訴訟する際の手続きで利用される。プロバイダ責任制限法という法律の中の手続きの一つでもある。これにより誹謗中傷した人の情報を、サイト運営者やプロバイダは、求められれば情報開示に応じなければいけない。

MEO対策
Googleマップで上位表示させたり、Googleビジネスプロフィールで情報発信を行う施策。店舗経営を行う業界においては、MEO対策が風評被害対策の一環として取り入れられることもある。MEOとは「Map Engine Optimization」の略で、日本語では、「マップ検索エンジン最適化」という意味。

レピュテーションリスク
企業やその製品・サービスが、ネガティブな評判によってブランドや価値が損なわれるリスク。レピュテーション（reputation）とは「評判」という意味。

コンプライアンス違反
社会的な倫理や法令や規則に反する行為。コンプライアンス違反が発端で、ネット風評被害につながることも多い。コンプライアンスは（compliance）は「法令順守」という意味。

ネット風評被害は、法律に関わる大きな被害もあるため、これらの専門用語は最低限理解しておく必要があります。

ネット風評被害はなぜ起こる？その原因とは

ネット風評被害は、インターネット上で営業活動をする企業や店舗、個人にとっては死活問題です。

知らず知らずのうちにデマや悪評が広まって、やがて気付いた時には手遅れになるくらい大きな被害につながる危険性があります。

ここでは、ネット風評被害がなぜ起こるのか、その発生原因を解説します。

SNSなどの拡散性の高さ

SNSの拡散性の高さは、ネット風評被害の原因に直結します。

X（旧Twitter）、Instagram、TikTok、Youtubeなど、近年SNSによる情報発信が絶えません。

SNSが世に出始めた頃は、若年層がメインで利用されていましたが、今はSNSをビジネス活用する企業も多く、年齢に関係なく利用者が多いプラットフォームになりつつあります。

例えば、会社でなにか不祥事を起こせば、それはSNSを通じて一瞬に拡散されてしまいます。

SNSには、高評価が多いものを優先的に表示させるアルゴリズムがあり、またハッシュタグ（#）やリポストといった共有機能も、拡散性を高める原因になっています。

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SNS誹謗中傷を逮捕事例から弁護士相談まで徹底解説！

匿名性の高さ

匿名性の高さは誹謗中傷を助長させ、それはやがてネット風評被害となります。

SNSや、5ちゃんねる（旧2ちゃんねる）を代表とされる匿名掲示板では、自分の本名を名乗ることなく意見を発することが可能です。

その匿名性の高さは、時に人間の本性をあぶり出すことがあります。

日常生活では温厚で悪口とは無縁のような人でも、ネット上では平気で暴言を吐く人がいます。

その中で、法律に触れるような誹謗中傷を続けられると、ネット風評被害として顕在化するのです。

あからさまなアンチで、誹謗中傷を受けた側が悪く見えていなかったとしても、周りに「なにか炎上しているな」と思われていること自体が、すでにネット風評被害となっています。

詳しくはこちらの記事！
2ちゃんねるの掲示板の歴史から悪質な書き込み対策まで徹底解説

嫉妬心や怒り

嫉妬心や怒りの気持ちが、誰かを貶めたり嫌がらせをしたりする行動につながり、ネット風評被害へと発展します。

これでよくあるケースは、退職した社員による悪評です。

円満に退職していればそのような心配はありませんが、中には会社とケンカをして辞めてしまう社員もいます。

そうした時に辞めた社員は、その会社に憎しみや恨みを持っているため、周りに会社の悪いところを言いふらします。

また大手転職サイトでは、昔働いていた会社の口コミを書き込む機能があり、ここに低評価やネガティブな口コミを書かれるリスクもあります。

詳しくはこちらの記事！
転職会議の悪評はバレる？口コミを見る方法から口コミ削除の方法まで徹底解説

こうした人間の気持ちは、気が済むまでやらないと収まらないことが多いため、ネット風評被害につながりやすいです。

不祥事やスキャンダル

会社の不祥事やスキャンダルは、ネット風評被害になりやすい原因の一つです。

例えば、会社の従業員や社長が逮捕されて実名報道されれば、それはメディアを通じて不特定多数の人に知れ渡ります。

また不祥事の対応を誤ってしまうと、社会からの責任追及の目は一層厳しくなるため注意しなければいけません。

不祥事のニュースが、SNS上でトレンドとして表示されると、その影響は計り知れません。

噂は瞬く間に広がり、その中で誤った情報や事実無根のデマに苦しめられる可能性もあります。

詳しくはこちらの記事！
従業員（社員）の不祥事と企業が取るべきトラブル対応マニュアル7箇条

会社の不祥事対応は、迅速に正確に行うことでその風評被害を最小限に抑えることができます。

炎上による便乗投稿

会社や個人が炎上したときに、その炎上ネタに便乗投稿する人が増えて、ネット風評被害が大きくなることがあります。

例えばSNSでは、インプレッション稼ぎを目的に、何の脈絡もなくその炎上を取り上げるだけで広告収入を得ようとする人がいます。

またYoutubeでは、炎上事件を取り上げることで動画の再生数を稼ぐ人もいます。

このように炎上事件は、いまやお金のために使い倒されることが多いのが現状です。

このような投稿が増えれば、やがて検索サイトの検索結果やサジェストにも影響を与えて、ネガティブな情報が表示されやすくなってしまいます。

詳しくはこちらの記事！
YouTubeが炎上したらどうなる？誹謗中傷、悪口コメントへの対策

ネット風評被害を未然に対処する方法

ネット風評被害は、一度被害が大きくなってしまうと対処するのは容易ではありません。

そのため、できることならネット風評被害が顕在化する前に、未然に防ぐことが大切です。

ここでは、ネット風評被害を未然に防ぐ方法を解説します。

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定期的な被害のモニタリング

ネット風評被害を未然に防ぐには、定期的に被害が出ていないか、モニタリングを行うことが大切です。

例えば、商品を売ったり、店舗経営をしたりするのであれば、それぞれのレビューサイトで低評価やネガティブな口コミがないかを確認しましょう。

また検索時に、サジェストキーワード（予測候補）や、検索結果に出てくる記事に、ネガティブなものがないかを確かめることも大切です。

これらを放置すれば、多くの人の目にそのネガティブな情報が晒され続けることになります。

少しでも早く発見できれば、迅速に対処に取り掛かれるため、モニタリングが大切になります。

社員教育によるネットリテラシー強化

ネット風評被害は、社内の従業員のトラブルから起こる場合もあります。

例えば従業員が起こすトラブルには、以下のようなものがあります。

これらは、トラブルとして大きく取り上げられると、ネット風評被害につながる可能性が高いです。

そのため社内教育の一環として、ネットリテラシーの教育を行いましょう。

自分が起こしたトラブルによって、会社がどんな被害を被る可能性があるのか、それを知るだけでもトラブルに対する抑止力になります。

炎上・不祥事の対応マニュアルの策定

炎上や不祥事が起こった時の対応マニュアルを策定しておくことで、ネット風評被害の拡大を止めることができます。

会社経営を長く続けていれば、1つや2つくらいは何かしらの不祥事が起こるものです。

不祥事が起これば、多くの人にそれが知れ渡ることは避けられません。

ただその対応を迅速かつ適切に行えば、そのネット風評被害を最小限に留めることができるのです。

被害者がいれば謝罪し、顧客に対しても謝罪文を公表し、民事や刑事が絡む問題には弁護士と協力する、といった対応が求められます。

これらのことは、トラブルが起こると冷静に対応できなくなるため、トラブル対応マニュアルの策定が重要になります。

ネット風評被害が企業に与える悪影響

ネット風評被害は、企業にさまざまな悪影響を及ぼします。

以下に、その悪影響と深刻化したときのリスクをまとめました。

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悪影響が深刻化することで、人材不足に拍車をかけ、会社経営の危機につながる可能性もあります。

ネット風評被害で訴えられる罪

ネット上の誹謗中傷は、時に会社や個人に大きな損害を与えます。

ケースによっては訴訟にまで発展し、罪に問われることもあります。

以下に、ネット風評被害で関連性の高い罪を、科せられる罪の内容と共にまとめました。

罪の中には誹謗中傷に関連するものから、リベンジポルノのような画像投稿による嫌がらせが罪になるものもあります。

以下に、実際にどのような行為がそれらの罪に値するかを、具体例を交えて紹介します。

これらの具体例には、言った方と言われた側によるそれぞれの属性・環境・状況などが加味されるため、一概にこれをやったらアウトと決めつけることはできません。

ただし、いずれも懲役や罰金につながる罪となるリスクがあるため、ネット上の投稿には十分配慮しましょう。

ネット風評被害の事例を紹介

ネット風評被害は、報道機関やネットニュースでも大きく取り扱われることがあります。

ここでは、実際にニュースになった事例を紹介します。

実際に起こった事例を見ていくことで、自分に置き換えて考えやすくなり、参考にすることができます。

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コロナウイルスと同名会社が風評被害に苦しむ社員を配慮した事例

住宅設備メーカーである株式会社コロナが、新型コロナウイルスと名前が同じという理由で、風評被害に悩まされました。

当時は、世界的なパンデミック騒動で「コロナ」という言葉そのものに、社会全体が強く嫌悪感を抱くようになりました。

これにより株式会社コロナの代表取締役社長は、働く従業員のモチベーション低下を危惧し、ある行動を起こします。

それは、新聞広告です。

株式会社コロナが出した新聞広告には、

「キミのじまんのかぞくは、コロナのじまんのしゃいんです」

引用：prtimes

という、社長が従業員に向けたメッセージ性の高いキャッチコピーが使われました。

この広告により、株式会社コロナは従業員のモチベーションを回復させ、コロナによる風評被害から会社を守りました。

従業員に向けた言葉をあえて広告にすることで、会社が世間に与えるイメージを変えました。これは社長にしかできない機転の利いた風評被害対策と言えるでしょう。

スシローの迷惑行為投稿で株価が下落した事例

スシローの店舗内で、少年がしょうゆ差しや湯呑み茶碗を舐める動画が、SNSに投稿されて大きな問題になりました。

当時は、この炎上騒ぎで「もうスシローにはいきたくない」といった声が、多く見受けられました。

この影響でスシローでは、一時的に客足が減少し、親会社の株価にも影響を与え、時価総額が160億円以上も下落したとされています。

またスシローだけでなく、飲食業界全体で机に置かれている備品の取り扱いに配慮しなければいけなくなり、業界全体に大きな風評被害を与えました。

例えば餃子の王将では、注文した人にしか餃子のタレを提供しないようにしたり、多くの飲食店でお箸が個包装になったりと、この事件による影響は計り知れないものがあります。

スシローはこの事件で、少年に対し約6700万円の損害賠償請求を求めて提訴しましたが、後に和解をし訴訟を取り下げました。

参照：日本経済新聞
参照：Business Journal

このような、SNSに迷惑行為を投稿することをバカッター、また従業員のアルバイトがそれを行うことをバイトテロと呼び、当時はこの事件をきっかけに連鎖的に多発して社会問題になりました。

SNSの誹謗中傷が原因でテレビ出演者が亡くなられた事例

プロレスラーの木村花さんが、テレビ番組に出演した後に、SNSで誹謗中傷を受けたことで命を絶った事件がありました。

この件で男性2名が、侮辱罪として刑事処分されています。

この事件によって、ネット上の誹謗中傷が大きな社会問題になりました。

木村花さんの事件が与えた影響は大きく、事件以降、以下のような法改正が行われました。

プロバイダ責任制限法の改正
改正前　→　サイト運営者と通信事業者それぞれに開示請求が必要だった
改正後　→　裁判所が一括して双方に開示請求が可能になった

侮辱罪の厳罰化
改正前　→　30日未満の拘留または1万円未満の科料
改正後　→　上記に加え、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金が追加された

このようにネット上の誹謗中傷を、より厳しく取り締まる法改正が行われています。

言葉は、人の命を奪う可能性がある武器であることを認識しなければいけません。

誹謗中傷は、絶対にやめましょう。

参照：日本経済新聞
参照：iの視点
参照：読売新聞

ネット風評被害を取り扱った書籍

ネット風評被害を取り扱った書籍があります。

それが、薮崎真哉さんが書いたディスカヴァー携書から出ている「ネット風評被害」という書籍です。

ネット風評被害対策コンサルのプロである著者が、以下のようなことを解説しています。

ネット風評被害を大きく取り扱った本は少ないため、もし本からネット風評被害の知識を取り入れるのならば、参考になる1冊でしょう。

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業界別の誹謗中傷とネット風評被害対策

ネット風評被害は、その業界によって被害の内容は様々です。

被害になるサイトも違えば、被害につながる誹謗中傷も異なります。

そのため、ネット風評被害対策は業界別に特化した対策が不可欠です。

ここでは業界ごとに分けて、誹謗中傷、ネガティブキーワード、ネット風評被害対策を解説します。

飲食店

飲食店で「まずい」ことが評判になれば、客足が一気に遠のく危険性があります。

また清潔感や接客態度にも気を付けなければいけません。

これらの対策には、各グルメレビューサイトの口コミ削除が重要です。

また、飲食店は地域競争も求められるため、MEO対策も風評被害対策として有効に働きます。

病院・クリニック

病院やクリニックでは、技術力による悪評に気を付けなければいけません。

例えば、歯医者で「失敗」というワードが出てしまうと、大きなネット風評被害につながります。

利用者はまずその病院に行く前に、病院名を検索し事前知識を入れておくことが多いです。

そのため、サジェスト汚染対策が有効に働くことが考えられます。

大学・専門学校

大学や専門学校は、ちょっとした問題でも噂になって表面化しやすいため注意が必要です。

例えば「いじめ」が問題になってしまうと、希望している生徒だけでなくその保護者もその学校に行かせることを躊躇する可能性が出てきます。

学校問題は、匿名掲示板で話題にされやすいため、各掲示板のスレッドの削除が有効です。

また、掲示板でネガティブなことを多く書かれると、その話題が検索上位に出てくる恐れもあります。

検索結果に対する有効な手段は、逆SEO対策です。

逆SEOでネガティブな検索結果を減らせば、学校の印象は変わります。

就職・採用

就職や採用活動においても、誹謗中傷やネガティブキーワードに気を付けなければいけません。

特に多いのが「○○会社　ブラック」です。

ブラック企業に入りたい就職希望者はいません。

そのため、会社名とともに「ブラック」と表示されれば、応募をためらうことは自然な流れでしょう。

このようなネガティブな検索候補には、サジェスト汚染対策がもっとも効果的です。

特に面接対策で、会社名で検索をし事前にHPを調べる可能性が高いので、有力な対策になります。

美容・エステサロン

エステやサロンのような美容業界では、その施術内容に対する悪評に気を付けましょう。

思い通りの仕上がりにならなかったことで「失敗された」という言葉が広まると、客足が減少する原因になります。

日本ではホットペッパービューティーが、美容関係の口コミ最大手のサイトになるため、このサイトでの悪評を削除することは大きな風評被害対策になります。

また、店舗経営の業界のためMEO対策も有効です。

Googleビジネスプロフィールで公式情報を発信したり、Googleマップで上位表示させたりすることは、ネット風評被害の信頼回復にもつながります。

不動産

不動産業界では、賃貸マンションから注文住宅の工務店、ハウスメーカーまで幅広く、風評被害も様々あります。

例えば、賃貸マンションなら騒音問題や近隣の治安の悪さが、ネガティブな評価になることがあります。

注文住宅なら、建築上の欠陥や営業担当者の対応の悪さが、問題になることもあるため注意が必要です。

工務店やハウスメーカーであれば、サジェスト汚染対策がネット風評被害に有効に働く可能性があります。

観光・ホテル

観光・ホテル業は、ホスピタリティが強く求められる業界です。

ホスピタリティとは、おもてなしや思いやりの接客を意味する言葉です。

このホスピタリティに反するような評判や噂が立てば、来客数は減ってしまうでしょう。

有効なネット風評被害対策には、レビューサイトの口コミの削除があります。

ホテルは旅の醍醐味の一つのため、過去のユーザーの評価の高さは信頼に直結します。

また出張で利用されるビジネスホテルでは、地域性が求められることもあり、MEO対策も有効です。

芸能人・インフルエンサー

芸能人やインフルエンサーは、会社のような組織ではなく一個人に対する評判が大切です。

例えば、あまりTVに出なくなった芸能人に対して、「死亡」というサジェストキーワードが付くことがあります。

これはメディア露出が減ったことで、亡くなったのではないかという噂が立つことで起こるサジェスト汚染です。

それ以外にも、不祥事を起こせば本名に関連して「逮捕」「不倫」など様々なネガティブキーワードが付きまといます。

そのためネット風評被害対策としては、サジェスト汚染対策が有効的でしょう。

近年では、Youtubeによるネガティブなネタ動画もあるため、そのようなコンテンツ削除も大きな対策の一つになります。

ホスト・ホステス

ホストやホステスのようなナイトワークでは、その店舗と個人の両方で誹謗中傷に気を付けなければいけません。

店舗のサービスに不満を持ったお客さんから「ぼったくり」と噂を流されたり、また個人の見た目を侮辱するような投稿もネット風評被害につながります。

特に個人の誹謗中傷に関しては、爆サイやホスラブといった匿名掲示板サイトによる書き込みが多く、これらのサイトの書き込みの削除は有効的な対策になります。

一方、店舗の誹謗中傷に関しては、サジェスト汚染対策や逆SEO対策による施策が効果的に働くことがあります。

ネット風評被害の対策

ネット風評被害は、適切な対策を施さないと改善しません。

放置していると、誹謗中傷やネガティブな情報はどんどん拡散され、ブランド価値の低下や顧客離れにつながります。

ここでは、ネット風評被害の対策方法について解説します。

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ポジティブな情報発信

ネット風評被害対策には、ポジティブな情報発信が必要です。

これは顧客に対して、ポジティブな情報でネガティブな印象を塗り替える意味があります。

また、Googleのような検索エンジンのアルゴリズムに、ポジティブな情報の方が優位性が高い情報であることを教え込む意味もあります。

ポジティブな情報発信には、以下のようなものがあります。

定期的にこれらの情報を発信していけば、ネガティブな情報の露出を減らす効果が見込めます。

ネガティブな投稿の削除請求

ネガティブな投稿の削除請求も、ネット風評被害対策に有効です。

特に、口コミやレビューで来客数が大きく左右される業界では、その対策効果は大きいでしょう。

口コミレビューサイトでは、利用規約が定められており規約違反と認められたものが削除されます。

サイト運営者の判断にゆだねられるため、場合によっては削除できない可能性があります。

どうしても削除したい場合には、以下の手順を踏むことになります。

投稿内容が、名誉棄損などの法律に当てはまる場合は、このような手段で削除することができます。

早く削除しなければ、甚大な被害になるといった緊急性が高い場合に行う方法です。

逆SEO対策

逆SEO対策とは、検索結果の上位にあるネガティブな情報の順位を下げる施策です。

ネットを利用するユーザーは、検索結果の1ページ目を参考にすることが多く、この1ページ目の検索結果がポジティブなものに変われば大きな効果が見込めます。

逆SEO対策では、以下のような施策を行います。

逆SEO対策は、外部サイトからのサイテーション（自社を言及してもらうこと）や被リンク獲得といった、自社だけで対策を行うことが難しい施策です。

サジェスト汚染対策

サジェスト汚染対策で、検索欄に表示されるネガティブキーワードを削除することは、ネット風評被害対策として有効です。

「まずい」「ブラック」「逮捕」「いじめ」のように、見ただけで印象を悪くするキーワードは、ブランドイメージを大きく傷つけてしまいます。

サジェストを削除するには2つの方法があります。

サジェストに選ばれるキーワードは、その検索エンジンごとでルールが違います。

ただ多くの場合で、過去の検索履歴や検索ワード、注目の話題などを加味して選ばれています。

そのためサジェスト汚染対策は、逆SEO対策と同時に行うことで大きな効果が見込めます。

ネット風評被害の相談先

ネット風評被害にあったとき、どこに相談しますか？

一言に、ネット風評被害といっても、その被害内容は様々です。

被害内容に応じた適切な相談先に依頼することで、満足のできる支援を受けることができます。

ここでは、どのようなケースの場合に、どこに相談すればよいのかを明確に解説します。

警察

警察に相談する場合は、以下のような状況が考えられます。

投稿内容に脅迫する内容が書き込まれた場合
連続投稿などのしつこい嫌がらせを受けた
詐欺などを助長する投稿があった

このように、刑事事件や迷惑防止条例、ストーカー規制法などで取り扱われるものに対しては、警察に相談するのがおすすめです。

身の危険を感じるような投稿は、自分だけでは解決できません。

警察に頼ることで、精神的な不安を解消することもできます。

弁護士

弁護士に相談する場合は、以下のような状況が考えられます。

レビューサイトの口コミを削除してもらえなかった
明らかな誹謗中傷を受けた
相手に損害賠償請求をしたい

弁護士は、発信者情報開示請求で相手の特定や、裁判の訴訟の手続きを行いたい時に相談しましょう。

裁判は勝てば報われますが、多くの時間と精神的疲労を伴います。

まずは弁護士と相談し、見積もりを取って本当に訴訟をする価値があるかどうかを確認することが大切です。

ネット風評被害対策の業者

ネット風評被害対策の業者に相談する場合は、以下のような状況が考えられます。

逆SEO対策でネガティブ記事の露出を抑えたい
サジェスト汚染対策で、ネガティブキーワードの表示を消したい
今後も再発防止や風評被害がないか監視して欲しい

ネット風評被害対策の業者に依頼をすれば、完全におまかせで対策を代行してくれることが多いです。

自分1人や社内の人間だけで行うには、時間と人件費が掛かります。

さらに素人が対策を行って、それが成功する保証もありません。

逆SEO対策やサジェスト汚染対策は、経験豊富で実績のある業者に相談するのがおすすめです。

ネット風評被害のまとめ

ネット風評被害は放っておくと、企業や個人に大きな悪影響が出てきます。

検索欄のネガティブキーワード、デマ、誹謗中傷、レビューサイトの悪口と、その影響は多岐にわたります。

逆SEO対策やサジェスト汚染対策など、業界によっても有効的な対策方法は異なるため、適切な対策方法を選びましょう。

ネット風評被害を未然に防ぐためには、定期的な被害のモニタリングが大切です。

また社員教育とトラブル対応マニュアルを策定し、悪い噂がなるべく拡散されないようにしなければいけません。

それでもネット風評被害が大きくなった場合には、自分だけで解決しようとせず、各専門家に依頼しましょう。

#ネット風評被害

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